ウンコについて思うこと
獣医学をやっていると(たぶん医学もそうだと思うけど)、やたら日常生活にウンコの話が出るようになってくる。ウンコは健康のバロメーター。当然、動物の健康のバロメーターでもある。言葉で病状が説明できない動物が調子が悪い時、ウンコやオシッコを見て健康状態を診ることが分かる。獣医がウンコを見て調べること →量が多いか少ないか、硬いか柔らかいか水っぽいか、色、ガスがあるかないか、臭い、血が入ってないか、寄生虫やバクテリアが発見されないか、などなど。オシッコなら→色、臭い、重さ、血、膿、バクテリア、などなどいろいろ調べることができて、結構奥が深い。下痢になる病気でも、病気によっていろんな種類の下痢があるので、病気の原因を調べるのにとっても大切になってくるのである。

かと言って、ウンコをしょうのもどうかと思うけど・・・。
ウンコやオシッコの臭いの異常を知るっていうのが、結構難しくて曲者なんです。3年の試験で5本のボトルに入ったオシッコ渡されて、「これはどの動物からの尿で、どんな異常があるか?」って質問があったけど、これは難しかった。私が分かったのは草食動物と肉食動物の違いぐらい。後は臭いのであんまり臭いかがなかったが、隣に座っているレンディーレ族の(ラクダ飼う遊牧民)男の子は、「これはラクダ、これは牛、これはヤギ。」とか鼻をボトルに思いきり近づけて、バシバシ当ててた。すごーい・・・。ウンコも、大切。例えば、パルボウィルスからの下痢の臭いって、異常に臭い。パルボ臭とでも言うんでしょうか、一回かいだら一生忘れないぐらい、脳天突き破るような異臭。でも、このおかげでパルボウィルス感染がすぐ分かる。という訳で、まぁ、臭いってのも、獣医にとって本当に大切なことなんです。
以前、動物学を勉強していた時もウンコは大切な知識を得る物だった。ウンコの種類でどの動物か分かったし、ウンコやオシッコを読んで(?)、いつその動物がその場にいたかなどの想定をするのに使っていた。例えば、ウンコの乾き具合でいつ象がそこを通過したとか、ウンコの中の消化されてない木の実とかでどの地域で餌を食べたかとか、地面のウンコとオシッコがある場所でオスかメスか分かったりとかね。ウンコ図鑑なんかも持っていた(日本の電車で立ち読みしてたら、すごっい白い目で見られたけど)。

お掃除屋さんのフン転がしがいなければ、サバンナはウンコだらけなんだから。
では、人間ではどうだろう?
最近友達とウンコについて考える機会があった(三十路の女の集まり)。盛り上がったのが、「ケニア人のウンコはなぜ浮くか」という話題。断水が多いケニア、人のウンコを見てしまう機会はかなり多い。そして、毎回私が密かに疑問に思っていたのが、「なぜケニア人のウンコは流しても浮いて戻ってくるの?」 これ、ホントなのよ。学校でトイレに入ると必ず、誰かのウンコが浮いているの!「ゲッ・・・」と思いながら、トイレを流すと、グルグルグルと回転して流れた後に、プカーッとウンコだけ浮いて戻ってくる。「戻ってくんなよっ!」と内心怒りを感じてもう一度流すが、何回流しても同じ。そして、諦めてトイレをするが、ケニアのトイレは汚くて便座に座ることなんか出来ないので、スクワット状態でトイレをするハメになる→(こういう時、ムエタイでやらされているスクワットが役に立っていると言える)。
「ケニア人ってさ、すごいでかいウンコしない?いつも女トイレで見るけど、絶対あれは女から出てきたウンコじゃないよっ!」
と、友達。男トイレに入ったことはないけど、私が見た事があるケニア人のウンコは確かに、でかい。何かの本で「健康な状態の人間は一日バナナ3本分ほどの便をします」と読んだことがあるけど、バナナ・・・?そんなもんじゃききません、ケニア人のウンコ。大根一本ほどありますって。ケニア人友達に聞いてみたら、
「それは、ルオー族かルイヤ族のウンコだね。」
と、当たり前のように答えてくれた。部族によってウンコが違うんかい?なんでもケニアの主食のウガリ(トウモロコシの粉を練った物)を食べ過ぎるとウンコは浮くらしい。トウモロコシから出る油分も高いのでウンコが浮き、ルオーとルイヤはウガリをものすごく食べるので、ウンコの量が半端じゃないらしい。
「そうだったのか・・・。」と丁寧な油の浮遊力の説明に、妙に納得。う〜ん、次回から人のウンコを流す時、諦めがついて流せそうだ・・・。
「ウンコって怖いのよ。私の友達なんか、旦那さんに自分のウンコを見せて離婚になっちゃったんだから!」
と、友達がウンコからの離婚してしまうケースもあることを語る。
ということは、ウンコについて語ってしまう私は結婚なんか無理ってこと?→当たり前だろ。
と、30歳を半年前にして、ちょっとウンコについて考えてみました。(変人)

