獣の女医 in アフリカ

エチオピアの裸の人達

バイトで17日間エチオピアに行ってきました。エチオピアと言えば古代キリスト教、コプト教の国。有名なラリペラの岩を彫って出来た教会とかは一度行ってみたいと思っていた。撮影の仕事でよくエチオピアに行く友達のKさんも、

「エチオピアの田舎に撮影に行ったんだけど、なんか、キング・アーサー時代みたいな世界なのよ。騎士みたいな格好した男の人が馬に跨って走っててさ。家に呼ばれると無け無しのコーヒー豆を炒ってくれてコーヒーセレモニーやってくれて。子供もホント無邪気でかわいいしね。人の優しさで心が温まるのよね〜。」

心温まるエチオピア、私も行きたい〜!と思っていて、エチオピアに行くの楽しみにしていたが、とりあえず帰ってきてみて、エチオピアの感想は、一言、「疲れた・・・・」(もうエチオピアは、お腹いっぱい)。だって、私が行った理由は、

エチオピアの裸族、ムルシ。
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・・・・・・。

まず首都アジスアベバから1000キロ近く離れた村ジンカまでセスナ。ジンカでセスナ降りて四駆に乗り換えて山道とサバンナを行くこと、2時間半。首都アジスよりケニア北部の国境の方が近いっつーぐらい、すげー遠いところに連れてこられてしまいました。今までいろいろアフリカを歩きまわっていたつもりだったが、このムルシ(族)はそんなアフリカ慣れした私にとっても強烈な人達だった。人に対するアプローチに強烈ながら、外見も強烈だった。男はフルチンだし、女は胸出してるし。洋服着てる私は女か男か分からないらしく、胸つかまれたり股間パンパン叩かれて男か女チェックされた・・・(女からも男からも)。隣におばちゃんが来たかと思うと、いきなり私のTシャツつかんで、胸を覗き込む。すると覗きこんで満足したのか、次は、胸をわしづかみ(おい!)。隣にいたおじさんも興味深々に私の胸を触ってきたかと思うと、ズボンの上から私の股間をパンパン!(普通するか、そういうこと・・・?)

ふぅ・・・。

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儀式なので一応正装。でも、腰に巻いた布が風になびくと、フルチン丸見えよ・・・。

ムルシが有名なのは、女性がはめるリッププレートである。下唇に切りこみを入れて、2年かけて伸ばす唇にはめるのが、リッププレートと呼ばれる平たい陶器。昔アフリカの部族関係の本でチラッと見たことはあったような気がするが、まさか実物を見るとは思わなかったっす。価値観とかからの差別とか嫌いだし、マサイの友達いっぱいいるし、ちょっとやそっとの変わった部族には驚かないと思っていた。しかし、このムルシにはぶったまげたね、ホント!

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ムルシ美人の証、リッププレート。いくら世の中価値観違った人種が多いと言っても、これはホントに美人なの・・・?

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ついでにサイドからのショット。ちなみに右後ろはリッププレート外した女性。リッププレート外すと伸びまくった唇がブラーン・・・。

ムルシ美人、昔はリッププレートが大きいほど美人とされていたらしい。リッププレート自体、昔は奴隷制度から逃れるため、自分達の女を醜くするための物などと言われていたらしいが、どうもジンカにいた人類学者に聞いてみるとそれは違うみたい。リッププレートについて修士論文を書いている(そんな事に人生かけていいんかいな)彼女いわく、

「リッププレートはハイヒールのようなものよ!」(そ、そんな単純な説明なの?)

女がいざという時、ムルシではリッププレートをはめるそう。これは、男をゲットしに行く時とか、新婚で旦那にご飯をよそう時とか、旦那の友達が来た時とか、らしい。つまり、リッププレートって行っても私達のするお洒落と同じなのね・・・。リッププレートつけて歩く彼女らの姿は誇りに満ちているのよ!と人類学者は熱く語る。でも、最近は小さいリッププレートつける人を好きな男もいるということで、でっかいリッププレートつけてなくてペットボトルの蓋を唇にはめてる人もいた。

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女の気合いの入れどころ?(威嚇してるとしか思えんのだが)

うーん、いくら価値観違う人種が世界中にいると知っていても、このムルシにはびっくりよ。だって、すごいんだもん、現物のリッププレート。でかいし、重いし、伸びまくった唇はビヨーンってたれてるし・・・。耳たぶを伸ばしているのはマサイや渋谷の若者とか見てて慣れているとはいえ、唇をあそこまで伸ばすってのはね〜・・・。ちょっと抵抗あります、いくら私がぶっ飛んでる野生児とは言え・・・。

今までのいろいろな人と接してきてきて異文化に慣れているかなと思ってきたけど、うーん、甘かったっすね。ムルシにはホント、完敗です。

確かKさんの話では、

「無け無しのコーヒー豆を炒ってくれてコーヒーセレモニーやってくれた。」

無け無しのコーヒーをタダで炒ってくれる・・・?そ、そんなこと、ムルシでは有り得ないね。悪夢のような初日(その後もずっと悪夢だったんだけど)、ムルシの村に着いた途端、50人近くのムルシに囲まれて、すさまじい「PHOTO ONE BIRR!攻撃」くらった。「BIRR(ブル)」はエチオピアの通貨で、つまり「写真撮って1ブルよこせ」って訳。

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ムルシ得意の「1ブルくれくれ攻撃」。子供一人からなら許せるけど・・・。

も〜、ムルシはじいさんやばあさんから子供までが車をグワーっと囲んで、エンドレスな「PHOTO ONE BIRR!攻撃」。1人や2人なら許せるが、おねだり攻撃も50人ぐらいの大人が円陣組んで3時間ほど続くと、こっちもたいがい切れる。しかも、男も女も普通にマシンガン肩にかけてるし、かなり怖い・・・。

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みんな普通にかついでいます、マシンガン。実弾は入っちゃいないだろと思っていたら、お祭りの時にみんなバンバン空に向かってマシンガン撃ちまくり。ちゃんと実弾入りなのね・・・(お願いだから銃口を向けながらお金せびらないで)

こっちがいくら写真を撮る気でなくても「PHOTO ONE BIRR!攻撃」は永遠と続くので忍耐勝負になってくる。おばちゃんや姉ちゃんは人の手に無理やりムルシのブレスレットつけて買わせようとするし(しかも小さなブレスレットを無理やり腕に押し込もうとするのでかなり痛い)、子供達は「カラメーラ!カラメーラ!(キャラメル)」と飴ねだりながら人の腕とかひっかいてくるし、うざ〜いっ!

観光客が来てやたらにお金を落としていくみたいで、すごい観光ずれしてる・・・。撮影の仕事で行ったんだけど、穀物を粉にひくところを撮るなら10ブル、コーヒーをひくなら10ブル、コーヒーのためにお湯を沸かすなら10ブル、籠を作るの見るなら10ブル、リッププレート作るの見るなら10ブル・・・。やること一つ一つに「ブル!ブル!ブル!」。村長にお金を払って話はついているはずなのに(マサイの村とかはそれで撮影の許可は取れる)、も〜、村人全員からすごい金よこせ攻撃。しかも、お金払うとピン札じゃないと突っ返されるしさ・・・。→(観光客が新札持ってくるのでピン札以外は金じゃないと信じて疑わないムルシ達) ちゃんとムルシ語を喋る通訳のムルシ青年がいたのにも関わらず、彼の言葉なんて誰も聞いちゃいない。

心温まるエチオピア・・・?無け無しのコーヒーごちそう・・・?そんなメルヘンなエチオピアからは、かけ離れたムルシと戦闘生活続きのエチオピア(人の優しさで心が温まるのどころか、最後には堪忍袋切れてぶっ飛ばそうかと思ったぐらいで・・・)。

「子供もホント無邪気でかわいいしね。私達の車の走る横を走ったり、手を振りながら道の横に立っててね。かわいかった!一生懸命手を振って、こっちも大統領にでもなった気分だったわ〜。」

う〜ん、ムルシは車で走ってると、何の前触れもなく突然道のど真ん中に飛び込んできて、両手を開いて車を止めようとしていました・・・(村への客引き)。子供も無邪気に手は振ってはくれませんが、素っ裸の男の子が5人ぐらい並んで通りかかる車に向かって「オチンチン踊り」をやってくれますね・・・(オチンチンに塗料を塗って、オチンチンを持って振りながら踊る)。客引きのためにやっているみたいだが、オチンチン振られて客引きされる私達の立場っていったい・・・?

エチオピアの感想:

一生分のムルシ体験をしたと思うので、もうムルシはお腹いっぱいです、はい・・・。