獣の女医 in アフリカ

地球的な思考

日本に帰る獣医さんから「明日香さんに面白い本をあげますよ。ぜひ読んで下さい。」と言われ、ある本をもらった。題名は、

「乱交の生物学 〜精子競争と性的葛藤の進化史〜 (ティム・バークヘッド著)」
(英語:Promiscuity –An Evolutionary History of Sperm Competition and Sexual Conflict)

・・・・・・・・??

なんで、こういう本を、「ぜひ明日香さんへ」なの・・・?友達は、「世界の中心で愛を叫ぶ(だっけ?)」とかロマンチックなラブストーリーとかもらっているのに、何故か私がもらった本は、「乱交学」(!)。そして、最後のページには、獣医さんのサインとメッセージが一言書いてあった。「頑張って!」と・・・(??!!)。これは獣医の勉強を頑張れなのか、乱交学を頑張れというメッセージなのか、今だ不明。

まあ、簡単に説明すると動物は乱交をすることによって生存確率を高くし、それのおかげで精子が卵巣にたどり着くまでいろいろな競争メカニズムがある、っていうことを研究した人の本なんだけど。英語で生物学を勉強した私にとって、日本語の生物学の専門書を読むのは難しすぎて拷問に近いものがある。もらったから読まなければと思いトライしてみたが、結局、所々しか分からなかった(すみません、O先生)。一応、昔動物学を勉強していた時に鳥類学も取っていたので、鳥の乱交については知っていたので、分かったのはそこいら辺ぐらいかな。

乱交って、言ってみれば、一夫多妻や一妻多夫制の文化のことな訳でしょ。ここケニアでは、一夫多妻制の文化なんて結構普通にある。ナイロビなどは、あまりいないけど、マサイなんか奥さんいっぱいいるのが普通。奥さん一人一人に家を立ててあげて(って言っても牛のウンコで出来た家だけど)、違う奥さんの家を交代で回っている。確かマサイの政府の役人でオレ・ンティママとかいう人は、金持ちだから30人ぐらい奥さんがいるはず。すべての子供の顔も知らないので、「お前は何番目の女房の子供だ?」とか聞いているとか言われている。あまり一夫多妻は驚かないが、一度ディスカバリー・チャンネルで見た一妻多夫制の分化ってのは驚いた。確か中国の田舎の部族だったけど、奥さん一人に対して旦那さん何人かいるらしい。そして、奥さんは各旦那の子供を産んで、旦那が自分の子供を育てるとか。アフリカの鳥に違うオスと交尾して、各オスの卵を産んで、それをオスが育てるってのは聞いたことがあるが、人間でもあるとはびっくり。マサイの奥さん同士もジェラシーなんてないらしく、一緒に奥さん同士が共同で家事やっているし、文化の違いって不思議。

文化の違いとは言え、ちょっと怖い文化がケニアの西部にある。普通だったら怖くはないんだけど、最近のアフリカの状況から見るとかなり怖い。ルイヤ族の女の人はお嫁に行った後で旦那が死ぬと、その旦那のお兄さんか弟に嫁がなければいけないという決まりがある。別にここまでは変わっているけど、怖いとは思わないだろう。でも、アフリカでのエイズ問題を考えると恐ろしいことである。例えばある奥さんの旦那さんがエイズで死んだとする。そうすれば、奥さんはエイズに感染しているのが普通である。そして、このエイズに感染した奥さんは、旦那さんのお兄さんに嫁ぐことになり、彼もエイズに感染する結果となる。そして、そのお兄さんが死ねば、彼女は弟に嫁ぎ、弟もエイズに感染する。そうしているうちに家族全員がエイズ感染してしまう。恐ろしいが、こうやって家族が全員感染して全滅してしまった村などが西部には結構あるらしい。ケニア政府もこれはやばいと感じて、嫁の受け継ぎの禁止などを働きかけていると聞く。

エイズ・ウィルス。これほど頭の良いウィルスもいないんじゃないかと思う。動物(人間)とは切っても切り離せない性交を通しての感染。そして、エボラ出血熱ウィルスみたいに短期間で宿主を殺してしまい自分で他の宿主に移る機会を少なくするなんて、バカなんぞやらない。潜伏期間は長く、時には10年にもなり、他の宿主に移る期間は十分ある。人間社会で生き延びるコツを十分わきまえている、ホント、怖いウィルスである。でも、時々、これは爆発的に増えた人間の人口に対する自然の人口コントロール・メカニズムなのではないかと感じる時もある。エイズで亡くなった知り合いもいるし、無責任な意味で言っている訳ではなく、地球の歴史上の長い目で見たらにすぎない。このまま人間が増え続ければ、自然が破壊され続け、食料も不足する。増えすぎる人間、そのコントロールは地球が行っている。それが、エイズであれ、津波であれ。

例えば、ビンの中でハエを育てて、毎日一定の量の餌をあげたとする。最初少量でスタートしたハエは、爆発的に増える。けれども、増え続けたハエは、やがて餌不足で死んでしまう。それに増えすぎた糞などから病気にもなる。人口が多くなりすぎたことで病気の感染率も高くなるからである。この場合、ハエは「Environmental Carrying Capacity」を越えてしまったと言われる。「Carrying Capacity」とは環境が維持できる生物の数である。そして、それ以上の数は、病気や餌不足などのファクターでコントロールされる形になり、人口が少なくなると、また少しづつハエは増えてゆく。ビンの中で繰り返される生死、それは地球上のエコシステム・ドラマの小さいバージョンにすぎない。生物は増え、そして絶えてゆく。それはミジンコみたいな原始の生物が何億年も前から繰り返してきた自然のドラマの一つに違いない。より優れた生物が増えてゆき、その生物が増えすぎると地球がそのコントロールをする。そして、また新しい生物が栄え、また滅びてゆく。永遠と続くそのサイクル、今、私が生きている時間などは地球の年数に比べると砂よりも小さい短い時間である。私達人間が滅びた後の生物、それはいったいどんな生物なのか。人間が犯してしまった数々の間違いなどはしないのか、それともまた繰り返すのか・・・。

う〜ん、地球的な考えは、奥が深いっ!

って訳が分からないっすね・・・。
大麻吸った人みたいに何こんなディープなこと考えてんだか。→(吸ってません)
ただたんにいつもナチュラル・ハイなだけです。

お〜、なんか手塚オサムの「火の鳥」読みたくなってきた!→めっちゃお勧めです(ブッダも面白い)。火の鳥読んでない人いたら、絶対読んで!地球、人間の行き方、宗教と歴史などについて、いろいろ考えさせられること間違いないっす。乱交学は読まなくていいかな・・・。普通の生活を送っている上で、あんま為になる本ではないかも・・・。