獣の女医 in アフリカ

4月11日

そうそう、先週、狂犬病についてのすっごいビデオを見せられた。狂犬病の犬、猫、牛、馬、ヤギのケースを症状を説明しながら見せるビデオなんだけど、なんと最後に人間の狂犬病ケースの映像まであったよ・・・。しかも、全部子供の狂犬病患者の映像で、見ていて気分がめちゃくちゃブルーになった。黒人とインド人の5歳ぐらいの子供の初期症状の意識がもうろうとしているところから始まって、ベットの上で暴れてお医者さんに襲いかかっているところ、動物園の気が狂った動物みたいにグルグルまわっているところ、食道痙攣によって水や食べ物を吐き出しているところ、幻覚を見て叫んでいるところ、顔がひどくゆがんで、最後は意識不明になって、死の瞬間まで映像に収めてあった・・・。「Not for Public Viewing」とか書いてあるけど、まじで私だって見たくなかったよ。クラスメートの何人かが後ろの方で、「消せ!人間の死を実験動物みたいに撮るな!」とか叫んでいた。

その後、「発病したら致死率100%の狂犬病の患者は、人間でも安楽死させてあげた方がいい」という発言をした子がいて、考えさせられてしまった。獣医学をやっていると、動物の安楽死をすることが多い。私自身もまだ獣医になっていないのに、犬6匹と猫1匹をこの手で安楽死させている。昨日も、クリニックでは、骨みたいにやせ細った腎臓が完全にいかれた13歳のテリアが安楽死された。私が朝見た時は、グッタリと床に寝そべって、顔には生きるのを諦めたような死相が出ていた。ビデオの男の子の顔にも最後は明らかに死相が出ていて、その子は前に私が見た牛の死んだ瞬間のように痙攣をした後に大きく伸びをして、その後、しずかにベットに沈んだ。魂が抜かれるという表現そのままだった。7日あまりで100%死ぬと分かっている患者の死の瞬間までビデオに撮っているというのも、なんだかと思う。ホント、まるで実験動物のようである。絶対に治らなく、気が狂って死んでいくなら、安楽死を考えた方がいいんじゃないかと少し思ってしまうほど、かわいそうな死に様だった。