獣の女医 in アフリカ

4月20日

夜中の帝王切開を終えてから、朝6時にヤマトと子犬と共に帰宅。昨晩も徹夜だけど、実はその前も徹夜で、48時間寝てなかった。ダゴレティに行くはずだったけど、頭がフラフラしているのとヤマトが心配なので、今日は家にいることにした。手術後のヤマトのためにヒーターつけて湯たんぽつけた後に、少し寝ることにした。起きたのは、2時間半後の朝9時。起きてすぐヤマトをチェックして、言葉を失った。子犬が寝ている隣でヤマトが頭も上げることもできないぐらい弱っていたのである。歯茎を見てみると、真っ白。血が通っていない。手術後のお腹の傷を見てみる、腹内出血しているのか?

家には手術道具はない。すぐドクター・マトレのクリニックにボロキレみたいにグッタリしているヤマトを連れて行った。頭がパニックしていたけど、とりあえず、家にある点滴液をレンジであっためて(クリニックにはレンジがない)、3分内にクリニックへ到着。すぐさま点滴をするが、ヤマトはほとんど意識のない状態。子宮内の水分がなくなったために起こったショック状態だった。手術中に点滴していたので、こんな早くショック状態に入ってしまうなんて思ってもいなかった。手術後モニターを30分しかせず、起きたら点滴をしようと思っていていて遅すぎたのが原因だった。真っ白になって横たわるヤマトを見て泣きそうになった。ドクター・マトレが、「落ち着け、大丈夫だから」と言ってくれるが、点滴が遅れたという自分のミスで愛犬が瀕死状態になったかと思うと、冷静になれない

ショック状態で、腕、足、首、すべての静脈が完全につぶれてしまって、針も入らない。最初に腹内に点滴液を流し、少し血管が浮いてきたところで、腕からの静脈注射をした。点滴をしながら、ショック状態で体温が下がっているヤマトを暖める。ドクター・マトレは、ヤマトの状態を少し診て、「彼女は大丈夫だよ。治る兆しを見せているから、もうすぐ元気になるよ」と一言。臨床経験の少ない私は、犬が生きるのをなんとなく諦めた顔は分かっても、昏睡状態のような犬に治る兆しを読み出すのは、まだよく分からない。新米の私が出来ることと言ったら、点滴と体を暖めてあげること、そして精一杯ヤマトを応援することぐらい・・・。点滴はともかく、応援して一日付きっきりになるぐらい、普通の飼い主でも出来ることだよね・・・。ホント、情けないです・・・。

結局、ヤマトが頭を上げれるようになって症状が落ち着いたのは2時間後。生きた心地がしなかった。その後、丸一日ヤマトから一時も目を離さないでモニターした。そして、ヤマトは夕方4時ごろになって、やっと立ち上がってフラフラ歩けるようになってくれた。自分がミスしたことから習ったことは、一番ためになるが一番辛い経験だ。学校では理屈的なことは習うけど、自分で一度経験して得る知識は永久に脳裏に焼きつくものだと思う。(ヤマトは夜になってから、ふらつかずに歩けるようになりました)