6月16日
物のない場所での治療の話の続き。昨日、緊急で運ばれてきた牛がいたんだけど、その緊急治療法にびっくりした。この牛は、日曜日に緊急ユニットで治療したケース。リフトバレー近くのかなりのど田舎だったらしいんだけど、昨日になってやっと手術の為に牛が大学に運ばれてきた。Bloat(日本語で何というか分からない。第一胃にガスが溜まる症状)だったんだけど、すごい田舎だったし、カニュラ(皮膚の上から第一胃を刺してガス抜きする器具)もなかったらしい。かなりお腹膨らんでいて、ただちにガス抜きしなきゃいけない。でも、カニュラもないし、手術する為の器具も車にはない。おまけにあまりにも田舎で、牛を大学に連れてくる車もない。そこで、ドクター・アボムが取り出したのは・・・、いったい何でしょう?(私は、昨日運ばれてきた牛を見て、一瞬、槍でも刺された怪我のケースかと思ったよ)
な、なんと、カニュラの変わりにボールペンがぶっ刺されてたのよ!!(外側のプラスチックだけ)ペンのプラスチックケースに注射器がくっつけてあり(注射針を刺して二つが止められている)、第一胃から抜けないようになってた・・・。ちゃんと第一胃からは、ガスは抜けている。そして、車の手配が出来た昨日になって、手術の為に大学に連れてこられたと言う。「何もない場所では、ある物で治療するんだよ。フィールドでの応急手当は、機転を利かせなきゃ」と、ドクター・アボム。す、すごい、すごすぎる。エリザベチアン首輪(ラッパみたいな首輪で犬が怪我を舐めないようにする)が、ごみ箱の底に穴を開けられた物で代用されている時は、対してびっくりはしなかった。牛の乳首用のカニュラの代わりに、18ゲージの注射針をコンクリートの壁にこすり付けて先端を丸くして使われた時も、そこまで驚かなかった。でも、ボールペン使っての第一胃のガス抜きは、まじで度肝を抜かれたっす。ドクター・アボムが機転を利かせなければ、牛はとてもじゃないけど、手術の日まで生きていなかったはず。1本のボールペンが牛の命を救った・・・。