獣の女医 in アフリカ

7月9日

昨日、テストが終わってから福ちゃんの予防注射するためにドクター・マトレの所に行ってきた。先生も福ちゃんの成長ぶりにびっくり。そりゃ〜、そうよね。400グラムだったのが、今じゃもう1キロ近くなってるから。

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でっかくなって、態度もかなりずうずうしくなってきた福ちゃん。

「こないだ治療した、マサイの牛覚えてる?」と、先生。あの凶暴な牛さん達、どうやら死んでしまったそうです。なんでかっていうのが、またすごい理由。あの日、Babesiosis という病気になっていた牛は、 Imizol という薬の注射を受けたのね。いっぱい牛いて薬なくなってしまい、もう暗くなっていたので、「Imizol という薬を買って、2週間後に4ml 打って下さいね」と、先生は飼い主(ナイロビ在住のマサイのお金持ち)に伝えたんだ。次の日、飼い主はさっそく Imizol を買ってきて、ワーカーさんに「2週間後に 4ml を打つように」と指示したらしい。

マサイは牛愛好者。自分の大好きな牛は、自分の子供よりかわいがっている。牛の治療も獣医が注射とかするの嫌いで、なんでも自分でやりたがるのよね。注射するのは別にかなわないと思う。でもね、いけないのが、薬の量の決め方なのさ。たとえば、牛が病気になって、その牛は抗生物質を 20ml 必要とする体重だとする。「う〜ん、オレの大好きな牛が病気になってしまった」と、マサイは悲しむ。獣医は体重から計算して、20ml と言っているのだが、マサイは、「オレの大切な牛なのに、こいつは抗生物質たった20ml なんかの価値じゃね〜ぞ!」と。大切な牛さん♪だから、「こいつには60ml あげたって、惜しくない!」と、マサイは大切な牛さんに抗生物質60ml を注射する。でも、もう一頭いる牛は、「こいつはあんまり好きじゃないし、10ml ぐらいでいいだろっ」と、10mlを注射。そう、これがマサイの薬の量の決め方。「牛の体重」ではなく、「気に入っているかどうか」は、薬の量を決めるマサイ的な基本♪(マサイの獣医さんから聞いた話なのでホント)

今回の牛さん達は、ワーカーさんがずいぶん気に入っていた牛だったらしい。「Imizol を4ml、2週間後に一回注射して」と言われ、彼は思ったに違いない、「この牛はそんなチンケな価値じゃない!」と。で、彼は何をした?めっちゃ強い薬の Imizol を10ml、1週間毎日注射してたらしい(飼い主には言わずに)。う〜ん、牛さん、死んでしまいましたよ、5頭全部。抗生物質ならまだともかく、Imizol なんて強い薬毎日倍以上も注射されたら、そりゃ毒もってるのと変わらないがな・・・。急性薬物性肝炎かなんかになって死んだんだと思うけど、検死では、死体はまっ黄色。肝臓は触ったら崩れるぐらいボロボロになってたとさ。飼い主さん、「二度とワーカーには注射器触らせないから、今度は来てやってほしい」とのこと。「来てもらったら治療費が高いかなと思ったけど、もっと痛い目みた」だって。