獣の女医 in アフリカ

10月6日

クリニックに狂犬病の疑いがある犬が連れてこられた。生まれた時から狂犬病の予防注射していなく、ボーっとして意識もうろう、よだれダラダラ、アゴが閉まらない、と、狂犬病の Dumb form と呼ばれる症状が出てる。日本とかでは撲滅されていてあんまり見ることのない狂犬病、ケニアではそんな珍しいケースではない。一般的に狂犬病と聞いて人が連想するのは、「凶暴な犬」。でも、狂犬病は furious form (凶暴性が増すやつ)と Dumb form (ボェーっとするやつ)があるのです。どちらにも共通するのがヨダレがダラダラって症状。凶暴性が増すものは、ジステンパーの通称 Old Dog Encephalitis と呼ばれる症状と似ているので、注意しなくてはならない。日本とかでは普通ジステンパーの予防注射はしていると思うけど、ケニアではしていない犬もいるので、ややこしかったりする。実際、80年代ぐらいにジステンパーの Old Dog Encephalitis の症状が出て、狂犬病かと間違えられたケースがいくつもあった。キチガイになった犬達は、みんな狂犬病の予防注射を受けていた犬であり、脳を検査に出して狂犬病じゃないことが発覚されてから、ケニアの法律で犬がジステンパーの予防注射を受けなきゃいけなくなったそう。

凶暴になる、ヨダレを垂らしている、食べ物や飲み物が飲み込めないなどの症状が見られる犬は、法律で政府の獣医施設で10日の検疫期間が命じられ、そのような症状の犬の治療は法律でやってはいけないことになっている。後、もしそのような症状が出た犬が人間を噛んだ場合、その犬は安楽死され、脳みそが検査に出される。という訳で、今日の犬も10日間の検疫の為、政府施設に持っていきました。その検疫小屋に連れて行かれ、思わず絶句・・・。小屋自体はでっかいんだけど、目に入るのは、床に転がっているほぼ化石化されたウンコ達・・・。

「こ、このウンコは、1960年代の物ではっ?!」

私の驚きの言葉に、係りの人は、

「そんなもんだろ〜ねぇ・・・(苦笑)」

ひぇ〜、ウ、ウンコが風化しとるのは、初めて見た・・・(汗)。こ、こんな所に入れられてしまって、絶対にご飯なんかもらえないような気がするんすけど・・・(牧場の中にポツンとある誰も近寄らない建物)。いくら法律とはいえ、こんな所に入れるのは、かわいそすぎる・・・。マトレのドッグハンドラーのマイナと、

「10日後に死ぬのは、狂犬病とかいう以前に、餓死じゃないの・・・?」