10月7日
今年の初めぐらいに、狂犬病チックになってしまった自分の子犬に噛まれた日本人がいた。犬はヨダレだらだらたらしていて、カラ咳してて、何も食べれなく、そこいら辺の物(自分のつながれたチェーンとか)に食いつきまくってたらしい。おまけに飼い主さんは、その犬に噛まれたとかっ!(怖) 最初は飼い主が噛まれたことを対したことと思っていなかったらしく、話の最後の方に「あ〜、そうだ。昨日の夕方、僕も噛まれたんですけど、消毒しなきゃいけないですよね?」みたいな感じに言われた(きゃ〜)。昨日の夕方・・・、もう20時間近くたってんじゃん・・・(24時間以内にワクチン・シリーズを受けなければいけない)。やばいよ、まじで・・・。即、飼い主にワクチンを受けなければいけないことを告げた。「この町では、そんなのないと思います」って、アンタ!命に関わる問題だよっ!「即、ナイロビに戻ってきてください!」 飼い主には、即効に狂犬病ワクチンの post-exposure シリーズをナイロビで始めてもらいました(0日目、3日目,7日目,14日目,30日目,60日目,90日目にワクチンを打たれる)。
キチガイ状態になった犬が人間を噛んだ場合、狂犬病の可能性が大なので、法律で安楽死が命じられる。ド田舎に住んでいた人なので、「その犬は安楽死させて、検査の為にナイロビまで死体を持ってきてください」とアドバイスした。すると、なんと、その人は自分で子犬の首締めて殺し、ナイロビまでマタトゥー(乗合バス)に犬の死体乗せて持ってきてた・・・(驚)。「危険なので犬に近寄らないで、そこいら辺に住んでいる猟師かなんかに遠くから弓矢で殺してもらってください」とアドバイスしたのだが(安楽死の薬持ってる獣医なんていない町だから)、「かわいがっていた犬だったので、人に任せるのは嫌だったので・・・」と自分でやったそうな・・・。棒でロープを首にかけ、2人ががりでロープ引っ張ったんだと。う〜ん、狂犬病になってしまった自分の愛犬を自分の手で殺せるかと考えたが、いくら法律でも、私にゃ絶対できないっす・・・。さらに首締めるなんて、マニュアルな殺し方なんて、死んでも出来んわ・・・。
どうやら、その犬は日本に連れて帰るつもりで、狂犬病のワクチンをちゃんと打っていたらしいが、なんかダメになったワクチンを打たれていたっぽい。ワクチンカードにサインされた名前を見ると、なんと知っている獣医・・・。後日、そのことをその人に話したら、「サプライヤーが冷蔵庫にキープしてなかったのかもしれない。うちでは冷蔵庫にキープしてたし」とか言ってたけど、今だにどっちが本当なのか分からない。そして、犬の脳みその検査の結果は、「陽性」〜〜〜っ!(きゃ〜っ!!) う〜、残酷でも適切なアドバイスが出来て良かった・・・。陽性の犬の安楽死を遅らせて他の人まで噛まれてたら、とんでもないことになってたよ〜。
発病したら致死率100%の狂犬病。まじで、怖い。ちなみに今までで4回狂犬病患者と接したことがあります。「魚の骨が咽に詰まったらしいんですぅ〜」とか、「急に凶暴になって」とか、「最近狂犬病のワクチンを何年も忘れてね」とかいう犬を持ってこられると、はっきり言って、獣医師の背筋は凍ります。狂犬病の犬は、一度見たら怖くて絶対に忘れられません(私はまだ犬しか見たことないけど)。牛の狂犬病の症状とかは、後ろ足が麻痺してフェンスとか倒れてぶっ壊しちゃったり、車とか物に対してマウンティングしたりして、かなりワイルドで近寄れたもんじゃないらしい。ちなみに昨日の狂犬病チックだった犬は、今日は小屋の中で寝転がった状態で、なにやら見えない物に対して遠吠えを続けてるらしい(やばいっすね)。今晩か明日ぐらいが峠でしょう。狂犬病ワクチンなんてコストが、たったの40シリング(90円)なのに、ケニアから狂犬病がなくなる日は、いつの日になるやら・・・。