2月9日
去年1年は、つくづく人と違った人生を歩むこと、自分のやりたいと思うことを正式に許可をもらってやろうとすること、そして、外国に一人で住むということ、などにハードルを感じる年だったと思う。まず、今のボスの前、ある人に「私の力がなければ、君は絶対にビザを取るのは無理だ」と言われ、その人に頼むことになったんだけど、その後、人間的に卑劣なことされた。その卑劣な行為を拒否したら、結果、そいつにビザを取るのを邪魔されることになってしまった。それがなかったら、もう半年ぐらい前に取れていたはずだったのに。その人もマサイマラで何かやりたかったっぽいから、最初から私の存在がうっとおしかったのかもしれないと今になって思う。ビザを諦めたら、そいつに負けを認めることになると思って、ひたすら頑張っていたわけ。権力を使って人を陥れるなんて、絶対に許さない。でも、仕返しなんかするのは自分のレベルを落とすことだから、絶対にしない。卑怯な人の力なんか借りないでも、この国で生き残ってやると心に誓って、どんなに悲しくてもむなしくても、正当な道で通してきた。今のボスとコンサーバンシーのマサイたちが頑張ってサポートしてくれたから、ビザが下りた。却下されたアプリケーションも再度プッシュしてくれたし、彼らのサポートがなかったら、負けていたかもしれない。
正直なところ、親に「ここまでしてケニアに残る必要があるのか分からなくなってきた」と相談したこともあった。母に、「じゃあ、ケニアをやめて、どっか違う国に移れば?」と言われ、悩んだあげく、やっぱりマラが大好きでそこに関わっていきたいと再確認した。でも、実際は書類がうまくいかなかったりで、毎日悩んでドーンと落ちて、また自分を励ましての繰り返しだった。やりたいプロジェクトははっきりしているけど、それが進まなくて、おまけにビザが下りないからケニアでの収入がなくて、お先真っ暗ってな状態。収入って言ったら、日本で出している本や雑誌の記事書き、日本を通した通訳のみ。寄付をもらっても全部マサイに使ってるし、時には実費でマラに行ってたし、マラに行くと自分の車は壊れるし。「いったいどうしてここまでマラに拘るのか、自分の生活ボロボロじゃん」、「マサイの生活向上する前に、マサイと共に共倒れしてしまう」とか、時々思ったよね。アフリカ長い友達に「アフリカで本当に人の為になるようなこと、自分のやりたいことをしたいなら、最初は金銭的に苦しむよ」と言われたけど、まさにそう。適当に許可とかごまかしてやったらどんなに楽だったかと思うけど、性格的にそういう詐欺っぽいことは出来ない。自分に嘘がつけない、というか、そういう道に入ったら自分が嫌いになるし。正当な道を進もうとしたら、ビザ取得まで準備期間を入れたら、1年半もかかってしまった。
正直言って、ビザを取るのは一番大きな壁だった。下手するとケニアにいられなくなるからね、死活問題っすよ。今、その壁が越えられたけど、またさらに新しい壁がドーンと立ちはだかってます。1年半前にプロジェクトをファンドしてくれるという団体もいたんだけど、ビザ取るまで正式に団体からファンド取れないので、待って欲しいと頼んでいたら、時間がかかりすぎて、その話はなくなってしまった・・・(涙)。そりゃそうだよね、1年半も待たされていたら、愛想尽かすよね。向こうの事情は分かるんだけど、ケニアの事情が事情だから仕方がなかったんだよ〜と言っても、もう遅い。また一からファンド集めに戻ってしまいました。ボスが違う保護団体に寄付のアプライをしてくれたんだけど、今日のミーティングでプロジェクトプロポーザルを4月の団体協議会(また協議会!)にかけるから、と言われた。4月までは私が集めたファンドと、こっちの現地で集めたファンドでやって欲しいとのこと。私の集めたのなんて、2週間ぐらいしかマラに行けないかも・・・。おかげで、今晩中に現地のファンド集めしてくれる団体とか3箇所に企画書を書き直しして提出しなきゃいかん。ビザのせいで正式に動けなかったとはいえ、また新しい壁が・・・。おまけに、プロジェクトの資金は集めることは出来ても、生活費が出ないので、辛い・・・。日本国籍の人間が日本で暮らしていれば、簡単にバイトが出来るけど、こっちじゃ無理だからね。また日本の雑誌の記事とか通訳とかやらないといかんわ。私だけだったらどうにか暮らしていけるけど、うちの毛むくじゃらの子供たちもサポートしなければいかんから大変だよ。正式なファンド取ってプロジェクト軌道に乗せるまで、獣医活動をやるのに他のことをして生活費を稼がなければいけないんだもん・・・。
HP経由のメールで、「夢を追いたい」とか、「自分の本当に好きなことをしたい」とか、「アフリカで仕事をしたい」というのがあるけど、こういう現実を知った上で、本当にそう思うのだろうかとか思ってしまう。夢を追うことって、聞いただけだといいなとか思うかもしれない。でも、普通より苦労すること、自分を信じて物事を貫く勇気がいること、他人の意見に左右されない強さが必要なこと、理解者が少なく孤独になること、安定な生活とかをもてないリスクが大きいこと、などがつきもの。少なくともケニアでちゃんとした道で自分のしたいことをしている人は、みんな生活苦しいし、外国でやっていくという上でのいろいろな苦労や経験をしている。自分のやりたいことをするのに他で稼いでつぎ込んでいるとか、多いよね。友達も、アフリカ原種の植物を守るプロジェクトやってるけど、ツアーガイドとかして生活費稼いでるもんな〜。彼女も女一人でずっと頑張ってきた人で、本当はすごく苦労していると思うけど、いつも笑顔いっぱいで素敵な人。「あすかちゃんはアフリカのみんなやアフリカの神様に愛されているから、絶対に大丈夫だよ!」とか言ってくれたりして、いつも勇気をもらってる。彼女も本当にアフリカを愛しているんだよね。そして、「トゥナ・ペンダ・イェイェ・サナ!」(私たちは彼女のことが大好きだ!)と誰からも言われ、アフリカのみんなに愛されているし(彼女のことを悪く言う人間には会ったことがない)。みんな、いろんなことがあっても、アフリカ大好きだから、ずっとこっちでいろんなことをやっていってるんだよね。いっぱい壁にぶち当たって、悔しくて大声上げて泣いて、やっぱり、アフリカが大好きなの。私もそんな人の一人。だから、どんな壁が立ちふさがっても、諦めないし、戦うのをやめない。プロジェクト起動に乗せる以外にも、ず〜っと心に抱いていた夢もあるしね!(自給自足生活も) ジタバタするのは格好悪いとは、思わない。頑張って、道を開こうとしているのなら。一番みっともないのは、何もしないで「こうすれば良かった」と後悔することだと思うから。まぁ、ジタバタするのがみっともないと思ってたら、とっくのとうにアフリカを去ってるでしょうね・・・。