獣の女医 in アフリカ

1月31日

やっとこさ、愛する犬猫が待つ我が家まで帰って来ました。なんでやっとこさなんだって?各地での暴動によって陸路の流通ルートが止められつつあるマサイマラでのガソリン不足問題のせいで、家まで送ってくれる車が午後になるまでガソリンが見つからなくて動かなかったのよ・・・(涙)。そして、保護区を横切って家に帰る途中、なんか悲しくなった。っていうか、こんなに静かなマサイマラを見たのは初めて・・・。サファリを楽しむ観光客の車がゲームドライブの時間になっても2−3台走ってるぐらいで、全くいない。キチュワも3日前は80人泊まれる施設なのに、お客ゼロ。マラのあらゆるロッジが経営不可能で、経済が元に戻るまで閉鎖し始めたらしい。メインガバナーズはとっくのとうに閉まったし、イルケラ二、マラサファリクラブも閉鎖。マラシンバ、キーコロックなどは数人のスタッフを残してほとんど従業員カットしていると聞いた。他のロッジの従業員も半分以下に減らされているところばっかり。

そして、ロッジ以上に苦しんでいるのが保護区管理施設のマラコンサーバンシー。ロッジは客が来なければ閉めりゃいいが、管理施設は客がいようがいまいが、動物を守っていかなければいけない。客が来なくても、密猟者はいるからね・・・。マラコンサーバンシーが毎月レンジャーや密猟対策、そして道のメインテナンスなどに使っている金額は約USD70,000。選挙の後の暴動で、1月のレベニューは一気にUSD20,000にまで下がり、USD50,000の赤字の為、レンジャーたちが使う車を動かすガソリン、パトロールカーのスペアパーツ、オペレーションフィー、雨でぐちゃぐちゃになった道の修理費など、すべてのオペレーションがストップしつつある。そして、この観光客がいない状態は良くて半年、悪ければ1年ぐらい続くと予想されるらしい。政府の金や海外の寄付金に頼らず自立したオペレーションを過去6年間続けてきたマラコンサーバンシー。入園料のみでのここまで動物保護地区を守ってこれた団体は、他にはいないだろうってぐらい優秀な実績を残してきた。観光客が来なくなって入園料が入らなくなった今、そんな頑張りが裏目に出てしまったのかもしれないと思うと、彼らの努力を知っている私はやりきれない気持ちになってしまう。ドナーを探す為にナイロビとマラを往復しているいろんな団体に「マサイマラを助けて下さい」と頼むボスの姿や、解雇されて実家に帰されるレンジャーの姿を見るのは、マサイマラとそこに住む人たちが大好きな私にとってものすごく胸が痛い・・・。