獣の女医 in アフリカ

2月11日

先月、リトル・ガバナーズ・キャンプの汚水タンクにゾウが落っこちて、大騒ぎになりました。マラコンサーバンシーのレンジャーたちによるレスキューでゾウはやっとこさ陸に戻る事が出来たんだけど、ロープを使って4トンのゾウを引き上げるんだから、とんでもない重労働だったそう。リトル・ガバナーズの汚水タンクにゾウが落っこちたのは、今回で2回目。「フェンスを建てるように!」とマラコンサーバンシーから注意を受けたけど、今日見たら、まだやってなかった(おい)。ガバナーズは、いっつも保護区ともめてるんだよね。でっかいバルーンサファリの車で道を破壊しまくってるくせに運転マナーを注意されると「営業妨害だ!」とか逆切れするし、ホント、たちが悪いマネージメント。自分とこのスタッフもかなりひどい扱いだし、高級ロッジで宿泊700ドルもするイルモランとか420ドルのバルーンサファリの利益をどこに使ってんのか、疑問に思う。ガバナーズのスタッフの住んでいる場所も、はっきり言ってキベラ(ナイロビのスラム)みたい。マラのロッジのスタッフハウジングの中で一番ひどいよ。保護区の動物や自分たちのスタッフがあるからロッジ経営していけるのに、どちらもちゃんとテイクケア出来ないって、いったいどういうもんかね・・・?

って、ガバナーズのバッシングをするつもりはなかったんだけどさ。なんで文句言ってるのかって言うと、そのガバナーズの汚水タンクから救い出されたゾウが、実はその時に怪我をしたみたいなのね。昨日、ガバナーズの前を通った時に、レンジャーたちと一緒に見つけたんだけど、足の傷に汚水が入ってひどい感染症を起こしてた。傷自体は足首にあったけど、足全体がふくれあがって、足を動かす度に傷からは膿みと血が飛び出ている。たまたま政府の野生動物獣医のドミニック(私のクラスメート)がナロックから来ていて、連絡するとすぐ現場に駆けつけてくれた。ゾウはほとんど動かないで泥水の中で寝てたので、痛みもそうとうながら熱も出ているっぽく、彼女の子供2頭もその回りをグルグルしてる。

レンジャーやボスたちはみんな徒歩で麻酔銃で打たれたゾウを追跡し始めたけど、私はナイロビから飛んできたばっかだったから、ミニスカートにロングブーツというおおよそ場違いな服装・・・(爆)。ちょっと追跡してみたが、この格好じゃついていけないので諦めた(当たり前だ)。レンジャーが置いていったパトロールカーをバックアップとして持って来てくれと言われたので、そうすることにした。Suzukiを運転するのは、私の方がうまいからということで(運転していたレンジャーは去年免許取ったばっかりらしい)。ものすごい深いブッシュで何度も何度も前進後進しないと、木がよけれない。やっとこさゾウが麻酔で倒れている場所につくと、子ゾウ2頭が母ゾウを守ろうとして、レンジャーたちを攻撃してる。子ゾウたちがいたら、治療の為に獣医が母ゾウに近づくことは不可能。レンジャーたちは、銃を使わず大声で叫んだり棒を投げたりして、子ゾウたちを追い払おうとしてるけど、子ゾウたちはなかなかその場を離れない。「危ないから、車で追い払え!」と言われたので、私の運転する車を叫び回る子ゾウたちと母ゾウの間に入れ、バリケードを作った。その間にドミニックがゾウを治療して、レンジャーたちが他のゾウの群れが来ないか辺りをパトロールする(その20分後に群れが来たんだけど、うちらがいる間に来られていたらかなりやばかった)。ゾウは治療が終わった後、麻酔のリバース剤を打たれて起き上がり、ブッシュに消えていった。後はレンジャーたちがパトロールカーで、ゾウがちゃんと回復に向かっているかフォローアップするらしい。途中ドミニックが「ちょっと手伝って」と頼まれ、傷から膿みを取り除いていたので、終わったら私も膿みと血まみれ。レンジャーたちは、

「スカートとブーツでやる仕事じゃないよね」

っていうか、こんなハプニングがあると知ってたら、私だって最初っからこんな格好しとらんわい・・・。

治療に同行したガバナーズのマネージャーに「こんなことにならないように、おたくの汚水タンク、ちゃんとフェンスして下さいね」と頼むと、「オレはマネージャーだから、オレの汚水タンクじゃない。オーナーのだ」だと。ムカつく、ガバナーズ。さすが、「irresponsibletourisms.com」(無責任な観光業ドットコム)なんぞ言うサイトでバッシング受けるロッジじゃ・・・。ちなみに汚水タンクに動物が落っこちたのはガバナーズだけじゃないけどね。以前は、キチュワの汚水タンクにカバが落っこち、ヘドロの中で溺死寸前だったのをコンサーバンシーのレンジャーたちが射殺(安楽死)させたし。ロッジのみなさん、お願いだから責任持って野生動物に危険な目にあわせないように努力して下さいな。ただでさえレンジャー不足で保護区が大変なのに、観光業関係の施設がレンジャーの仕事増やしてどうするよ・・・(ゾウの治療だけでレンジャー10人出動したぞ)。

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野生動物獣医のドミニック(ナイロビ大学で私の1つ学年上だった友達(右))。

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化膿した左前足から、膿みをフラッシュアウトする。

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治療に参加してたレンジャーたち(他にもいるけど写ってない)。一番左は車を私に奪い取られたレンジャーのナイトイ。

●マサイマラの野生動物を守るレンジャーを助けてあげて下さい●

現在マラコンサーバンシー宛に集まった金額  413,100円(3897ドル)
目標金額  15,9000,000円 (150,000ドル)
★この合計金額は、日本から週一で更新されてくる金額です。


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