獣の女医 in アフリカ

2月22日

昨日、ボスに「この女の子の面倒をしばらくみてくれる?」と頼まれごとをされた。「女の子ぉ〜?」、スタッフのガキとか預けられるんじゃないでしょ〜ね?と、半分首をかしげてついて行くと、こんな女の子がいましたよ。

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牛っ?!

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いえ、この人の赤ちゃんです。バッファローっすよ、バッファロー。

なんでも、母親がいなくなって炎天下で2日間も迷子なり、脱水症状だということ。保護区の中だと、絞り立ての牛乳が手に入らないから、草が食べれるようになるまでうちで預かって欲しいらしい。確かにうちの回りにゃ〜、牛を何千頭も飼っているご近所さんがいっぱいいるので、牛乳にゃ困らないっすけどね。日射病になってて、脱水症状の上にとっても熱っぽい。横腹も何かにぶつけたらしく血腫も出来てた。まだへその緒もついているし、蹄もそこまですり切れてないので、たぶん生まれて2〜3日ぐらいかな。生まれたばっかりなのに体重50キロ以上あって、めちゃくちゃ力強い。生まれてすぐに迷子になったらしく、まだメコニウム(初めのウンコ)も出きっていないっぽく、便秘状態。ミルクやりから浣腸から、いろいろやって、今日の午後には元気に鳴って来ましたよ。赤ちゃんが慌てて哺乳瓶にくいついたおかげで、牛乳をゴホゴホと吐き出され、洋服はよだれダラダラにされ、浣腸してサンダルがウンコまみれになり、おまけにオシッコをしっぽで顔にまき散らされた。うん、本来の獣医の姿だね。うちの犬も猫たちも、でっかい不思議な物体に興味津々です。ムサシなんて、吠えても逃げないで頭突きしながらバッファローが突っ込んでくるので、びっくりしてるし。

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でも、なぜかずっと寝ている赤ちゃんの横を離れないムサシ・・・。

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明日から、ミルクやりをジェーンに教え込みます。

どうなんだろう。私的には、野生動物に干渉するのは反対だったんだよね。偉そうなこと言ってたけど、実際にハァハァ苦しそうにしている赤ちゃんを目の前にすると、放っておけないってのは、矛盾しているのかな・・・。ボスも夕方のパトロール中、自分の車を母親だと思って一生懸命転びそうになりながら走ってついてくる赤ちゃんに遭遇した時、放っておけなかったらしい。レンジャーたちと早朝に母親を探したけど、結局見つからなかったので、私が呼ばれたのだそう。その場で赤ちゃんを見捨てていけなかったボスもボスだけど、捨て犬や捨て猫拾いまくっている上にバッファローまで抱え込んでしまう私も私だよね・・・(涙)。草食動物だから人間が育てても「狩りが出来ない」とかないだろうけど、人間慣れしたバッファローを保護区に戻して大丈夫なのだろうかね。観光客の車とかについてきたり、ゲートで客に近づいて驚かせたりしないだろうか・・・。

う〜ん、自分がいいことしているのか悪いことしているのか分からないけど、もう治療したことで干渉してしまったので、ちゃんと育てあげて野生に戻す出来る限りのことはするつもりです。あぁ、野生動物保護って難しいわ。「自分で草が食べれるようになって、ある程度大きくなって自分で身を守れるようになったら、オロロロ・ゲート近辺に返すから」とボスに言われているので、あまり愛着湧かないようにしとこぉ〜とか思ったけど、あまりにもかわいいので名前つけてしまいました(爆)。バッファローの「花」ちゃん(ハンナって発音的に英語でも使える名前にしておいた)。だって、名前ないと呼べないしねぇ。それにしても、ミルクをやった後、ずっとお尻をすごい力でついてくるし(牛の子供がやるように)、でっかい蹄でサンダル踏むので、めちゃくちゃ痛い。指吸わしてから哺乳瓶に変えているんだけど、その指も吸引力が強いので軽い内出血になってる。こやつが離乳するまで、私の体はもつのだろうか・・・。


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