獣の女医 in アフリカ

4月25日

ミーティング当日っす!しかも、朝9時半から午後5時半までの、丸一日のミーティング。朝8時の時点で、リポートの最後の肝心なところが終わらず、しかも、プレゼンのスライドも終わっていないので、リポートは後日提出するということでとりあえずプレゼンの方に集中するが、結局ミーティング開始の9時には間に合わんかった(爆)。自分のプレゼンは午後なので、昼休みに一度練習せんとやばいぞよ・・・。

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かなりモトモト(熱い)なミーティング。

なんのミーティングかっていうと、リチャード・リーキー博士が主催する「アフリカ野生動物の毒殺撲滅」のミーティングなのよ。アフリカ全土で農薬を使って、肉食獣と猛禽類がある地域では完全に絶滅する勢いで農民や遊牧民によって毒殺されていて、それを止める為のキャンペーンをリーキー博士は15年ほどやっている訳なんす。ケニアで得に問題視されているのが、カーバメイト系殺虫剤、カーボフュラン(商品名「フュラダン」)。この農薬はアメリカ、中国、インドで生産されていて、決められた分量で使用しても人間に害を与えるものなのでアメリカでは2007年で完全使用禁止になっている(アメリカ内に輸入する野菜や果物に対しての使用も)。でも、今でもアメリカでは生産され、アフリカに輸出されてます(おい!)。ケニアへの年間輸入量は、200トン。ほとんど農薬規制のされていないケニアの大農場で作られた野菜の農薬反応は、先進国だったら発売不可能ぐらい高いとICIPE(国際昆虫研究機関)が調査した結果も出されている。アフリカは、先進国では販売出来なくなった農薬のダンピンググラウンドなのです。まるで、映画「ナイロビの蜂」のような話。

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カーボフュラン(商品名「フュラダン」)

安いお金で購入出来るこの農薬(3ドルぐらいで200グラム買える。スプーン1さじで人間の致死量、ライオンだったら100匹ぐらい殺せます)を使って、遊牧民や農民が家畜を襲うライオンやハイエナを毒殺し、その死体を食べた猛禽類が大量死する事件があいついでます。2004年にはアティリバーでハゲタカ187羽が一度に死んだし、ツァボとアンボセリの間では、2000年から200頭近いライオン毒殺されているが(ハイエナは数知れず)、誰もそれを表沙汰にしていない。うちのエリアでも、マラコンサーバンシーが2001年に始まって、家畜の損害賠償を支払う制度を作った2006年までには、約300頭ぐらいのライオン、ヒョウ、ハイエナが毒殺されていると推定されている。

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毒殺された肉食獣の死体を食べて死んだハゲワシたち。食べた後に空からハゲワシたちが落っこちてくるので有名。

猛禽類研究者サイモン・トムセット博士による撮影された、カーボフューラン使って殺されたハイエナの死体を食べて死んだ187羽のハゲワシたちの映像

そして、このミーティングの10人ほどいたプレゼンターの中の最後が、私。なんでプレゼンしたかって言うと、検死の結果、こないだの麻痺したライオンの胃の中身からその農薬が発見されたからなんす。そして、ライオンが食べていたカバの胃の中身と、近くのロッジの畑と従業員の住むエリアの土のサンプルからも、その農薬が摘出されました。そう、とんでもないことが起きていたのですよ!この2週間以上、ナイロビとマラを行ったり来たりして、ライオンの内蔵輸送やら(政府獣医のドミニックに頼まれて)、ロッジの土やマラ川の水のサンプル採集して毒素検査したり、と、めちゃくちゃ忙しい日々を送っていました。そして先週の金曜日にすべての検査の結果が出た時点で、ミーティングでプレゼンして欲しいだの、正式なリポートをすぐ提出するようになどという無茶なスケジュールで、いろいろなことを言われ、切羽詰まるは追いつめられるわ。寝る時間も惜しんでバタバタしとった訳ですわ。それにしても、おとといまで一緒にプレゼンするはずだったのに「違う用事が入った」と逃げたドミニックも、「5ヶ月休日なし働き続けだったので休みが必要だ」と大事なプレゼン当日に優雅に休暇に出ているボスも、ストレスたまりまくっている上に3日近く睡眠なしの私にゃ〜、どちらも同じぐらいムカつくわ・・・。

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手足の麻痺5日目のライオン(這いずり回ることしか出来ないので、10日目に通りがかりの違うグループのライオンに殺された)。

行ってみれば、動物保護や自然保護関係の団体と研究者やら(WWF, IFAW, Nature Kenya, Peregrine Fund, KSPCA、ICIPE、ケニア博物館、ナイロビ大学などなど)、政府関係者やら(野生動物公社、農林省、Pharmacy and Poison Board)、製薬会社や販売会社や、でっかいツアー会社のオーナーなど、堂々たる方々が総勢40名。あまりにもセンシティブなトピックなので、今日のミーティングはナショナルジオグラフィック、BBC、CNNなどのメディアは出席を断られ、来週にはリーキー博士が今日のミーティングの内容を会見を開くらしい。

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2列目の左側でアホ面してんの、私じゃ〜(おほっ♪)。

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