獣の女医 in アフリカ

3月3日

今週のJMMの「マサイマラ・リポート」から引用

マサイマラのクロサイ問題の発覚で、ケニアのNEMA (National Environment Management Authority)がバッシングを受けている。NEMAは、ロッジ建設などの時に必要なEIA (Environmental Impact Assesment)や建設ライセンスなどを発行するオフィスだが、多額の賄賂を受け取りいいかげんなEIAや、環境アセスメントエクスパートの意見を無視した建設ライセンスを発行していることで有名である。

この新聞記事の中で問題視されているNEMAが発行した EIAの一つ、マラ・トライアングル内の「コブラコーナー・ロッジ」はたった1日で発行されたというからどれぐらい巨額な賄賂を払ったかかいま見れる。コブラコーナーとは、タンザニアの国境近くの森の中にあるサイトで、保護区管理施設としてロッジ数をコントロールしようとしてマラコンサーバンシーが何年も反対していた場所であり、今回建設ライセンスが破棄されることになった。今でさえ毎日保護区の中を走る百台以上のサファリカーによる環境破壊、ドライバーたちのアニマルハラスメントなどの動物生態への影響、道の修復などで大変なのに、これ以上ロッジが増えてしまったらはっきり言ってエコシステムへの負担が大き過ぎる。このようなエコシステムへ全体を守ろうという考えは、躍起になってロッジを建設しようとしている人たちにとっては思いつきもしないのかもしれない。クロサイの住処がなくなろうがおかまいなしでロッジを建てているナロック州でマサイマラの将来に心を痛めていたが、トランスマラ州のマラトライアングル内のコブラコーナーの建設ライセンスが破棄されることになり、少しだけ野生動物の将来に希望が見えて来たかもしれない。

SOMAK社が建設に関わるロッジの建設関係者は、「EIAに基づいた建設ライセンスを発行されているので違法ではない」と口を揃えて言うが、実際にそのEIAを読んでみると環境や動物のことなんか何も考えていないのが分かる。EIAの20ページにある生息動物のリストは、ひどものである。マサイマラに生息している野生動物のリストの中に、「Beisa Oryx(オリックスの亜種)、「Gerenuk(ゲレヌク)」、「Grevy’s Zebra(縞が細いシマウマの亜種)」、「Reticulated Giraffe(アミメ・キリン)」などと書いてあるが、そんな動物はマサイマラには生息していない(全部北部ケニアに生息する動物)。19ページにもマサイマラの植物について書いてあるが「Desert Rose」(Adenium obesum)などマサイマラには見られない植物である。SOMAK社が北部にある国立保護区内に建てたロッジ(これもかなり環境破壊でバッシングを受けている)の為に書いたEIAの名前を「マサイマラ」に替えただけのものであるのが、一目瞭然である。はっきり言ってここまでいい加減な書類だと、開いた口が塞がらない。その土地に何の動物が生息しているかも調べないで書かれたいい加減なEIAを元に建設ライセンスを取得し、「違法じゃない」と大口を叩いているSOMAK社。私に言わせてみれば、その下拙な行為だけでも、「違法」である・・・。

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