獣の女医 in アフリカ
12月30日

福ちゃんが彼女を選んだ時からあんま性格良くない猫だというの知ってたけど、トラちゃんは自分の猫ながら、クリニックには来て欲しくない患畜ナンバーワンかも。注射に対して、かなり凶暴で、いきなりライオンに変身。無理やり注射なんぞしようとすりゃ〜、パニックに陥って自己破壊行為に走る→以前点滴の補定された時、自分で大暴れし変に首をねじって気を失ったことあり。クリニックでもあんま見ないぞ、あそこまで暴れる猫は・・・。昨日も夜になって、キチガイみたいに手術後の糸を引っ張って取ろうとしてた。エリザベチアン・コラー(傷口を噛めないようにする首輪)をトライしようかと思ったが、発狂して大暴れ。首へし折りそうな勢いだったので、やめた。昨日の夜はトラちゃんが糸を引っ張らないように見張ってたので、寝不足。ウルルルーとうなりながらずっと不機嫌だし、触ろうなんてすれば近寄るだけで叫び声あげる。帝王切開の後でも我慢してずっと耐えるうちのヤマトなんかとは、ずいぶん違う。なにはともあれ、今日はコユキもシノも外を歩き回ったりしてるし、トラちゃんも元気になってきた。昨日心配した目も治ってきて、全然目が開けれなかったのが開けれるようになったので少し安心。私はというと、2005年も残り2日だと言うのに体調崩した・・・(泣)。午後からずっと胃がキリキリ痛くて、ムカムカ。おまけに時々頭がフラっとする。糖分足りてないのかしら?食中毒になるようななんか悪いもの食べたっけ?それとも最近水問題が多いからまた腸チフスか?う〜ん、分からん・・・。



12月29日

今日は、トラちゃんとコユキの不妊手術、シノの去勢手術をしてきました。やっぱり、自分のペットの手術をするのは、はっきり言って嫌です。手術中は手術モードに入ってしまうから、そこまで気にならないのだけど、麻酔かけて眠るまでと手術後に麻酔から覚めるまでが、嫌。自分のペットが痛がってるのを見るのは、どうしても心が痛む・・・。シノは極度の弱虫だから、私が注射したら絶対に私に近寄って来なくなるので、注射だけはブリーにやってもらった。トラちゃんも同じく、絶対に私を怖がるようになるので、注射だけクリニックの人にしてもらった(トラちゃんは凶暴なので反撃してハンドラーが思い切り引っ掛かれた)。コユキはいつも病気の時に自分で注射しているので、私が注射。手術は全部自分で執刀。

一番最初に去勢されたシノは、手術後すぐに目が覚めて、午後には歩き回ってご飯食べるまで復活。でも、不妊手術したトラちゃんとコユキは夜遅くになるまで、ずっとグロッキー状態でホント心が痛んで仕方がない(ごめんね・・・)。手術自体には問題なかったんだけど、手術後にトラちゃんの目にアルコールが飛んでしまうという事故が起こり、トラちゃんは目が痛くてまだ目を開けれなくなってしまった。目を洗うのと目薬をつけているんだけど、ちゃんと治ってくれることを祈る・・・。コユキは恨めしそうな目で私を見るし、トラちゃんも私を見ると痛そうにミャーミャー鳴くので、家に帰ってから心が痛みまくり。でも、人に任せて雑にやられたりしたら嫌だし、万が一のことがあったらその人のせいにしちゃうかもしれないので、あえて自分でやることにした。手術失敗したら自分のせい、死なせちゃったら自分のせい。愛するペットの命が自分の手の中にあるっていう責任は、ドーンと重い。新米獣医の私ゃ、考えさせられることがいっぱい。



12月28日

マラでタイヤを大破させてから、車の調子がおかしいっす。調子が悪いって言っても、足回りの問題だけなんだけど。先週、前輪タイヤにチューブを入れたら、その後ずっとステアリングがプルプル揺れるようになってしまった。おまけにブレーキパッドも磨り減っていてディスクに傷を入れているから、取り替えろとか言われた。お金ないのに・・・(泣)。チューブ入れる時にタイヤの取り外しがやたら硬くて、メカニックがガンガン人の車のタイヤに蹴り入れてたのよね・・・。ステアリングがいかれたのはそれが原因じゃないかと心配していたら、どうやら違うらしい。友達のハッサンは、腕のいいメカニック。私が知る中で唯一短気じゃないソマリ族でもある。野生動物獣医チーム専属メカニックなのでよく仕事でブッシュに出ている彼だが、ナイロビにいると言うので車を見てもらうことにした。彼いわく、問題はタイヤのバランシングで他は大丈夫だと言う。今すぐ直せないので、スペアタイヤに変えておいた方がいいらしい。タイヤ替えるのって面倒臭いんだよね・・・と思っていたら、ちゃんとタイヤを変えてステアリングもチェックしてくれた。よくブッシュに行かなきゃいけないから、自分でも車のこととか知っていなきゃいけないとは思っているんだけど、メカおんちなのでよう分からん・・・。来週ハッサンが一緒にタイヤの買出しに行ってくれるらしい。もつべきものはメカに強い友達だわ。

ゾウの移動の時に輸送トラックでずっと一緒だったソマリ族のハッサンとレンディーレ族のンゲレのメカニック・コンビ。ツァボ国立公園までの輸送の往復5時間、ずっと彼らの弾丸トークが続いてた。ハッサンに、「今度、みんなでオレの実家のマンデラまで行こうぜ!」と言われたが、怖くて行けんよ、そんなとこ・・・。自動小銃のエスコート付きで行かなきゃいけない場所なんて行きたくありましぇ〜ん(涙)。ンゲレが、「じゃぁ、オレの実家のチャルビ砂漠は?」って、マンデラとチャルビ砂漠じゃ、遠さも治安の悪さも対して変わらんだろっ!飛行機で連れて行ってくれるならいいけど(救援物資届けるUNのチャーター飛行機しか飛んでないけど)、車なんかで行けるかい。これでも一応、肌の白い女だからね。即ターゲットになるよ、全く。

今日はトラちゃんの手術をする予定だったのだけど、マトレが手術道具持ってナイバシャに行ってしまったので出来なかった。クラスメートのブリーがマトレのところで働いていて、福ちゃんの胎児時代から知っているので、「かわいそうに・・・」と言葉をかけられた。ふとした瞬間、福ちゃんがいないのに気がつく。私が学校に行っている間に胎児の福ちゃんを温めていたのはヤマト、そして学校から帰ってくるとカンガルーの赤ちゃんみたいに私の大きめのタートルネックの中で寝てた福ちゃん。だから、大きくなってもよく私の首の回りで寝てた福ちゃんの重みも、もう感じられない。夜寝る前にベットで専門書読んで復習するのが日課で、いつも本の上に乗って邪魔する福ちゃんもいない。私の注意を引くのが好きで、私が「はいはい、福ちゃん」と返事するまで、ニャーニャー鳴き続ける福ちゃんがいなくなった家は、やたら静かです・・・。



12月27日

連休が終わったので、アニマルシェルターのペットセメタリーに福ちゃんを埋めてきました。焼いて骨だけになった福ちゃんの入った袋は、なんて小さくなってしまったのだろうか・・・。掘った穴に福ちゃんの大好きだったオモチャやツナ缶やら入れて、うっ・・・とまた涙が出そうになってしまいそうになる。でも、後ろでシェルターで働いている人が、「なぜ死んだ猫のためにご飯をやる?死んだから、食えないじゃん」とか聞いてくんの・・・(うっさい!)。「死んでも、死後の世界でお腹が減ったらかわいそうでしょ!うちらは、そう信じてるの!」って言っても、お線香を立ててあげる私に「それは何のためだ?」と、興味津々。も〜!見ないでよっ、今は一人でしんみりしたいんだからっ!(涙) おまけに遠くから友達のロバ獣医ウォルターが、「そっち終わったら、オレ一人だから、お前も犬の検死手伝ってくれよ〜!」とかでっかい声出してるし、まじ切れそ・・・。検死ぐらい、自分一人でやれっ!(結局手伝ってやった)。福ちゃんがいなくなってから、ずっとメソメソしてたこの2週間。そろそろ元気にならなきゃいけないのかもしれない。ケニア人の無神経さも荒療法とすれば、ある意味いいのかも・・・。昨日の夜も、福ちゃんを思い出しながら泣きながらトラちゃんに抱きついたら、しつこかったらしく、思い切り目に猫パンチくらいました(涙)。なんか、福ちゃんがいなくなって心が引き裂かれそうになってるのは私一人ぐらいみたい・・・。トラちゃんは1匹でつまらなそうだけど、ヤマト達はてんでいつもの生活を優々と過ごしてる感じ。動物の元気な姿を見ていると、弱虫なのは私だけなのを見せ付けられます。人間、動物、みんなにカツ入れられてるあすかさんです。ま、負けないぞ・・・。



12月26日

採集したバクテリア培養サンプルと組織サンプルの結果が出たので、リポートを書いてます。シマウマとトピとか全部で8ページのリポートを終わせたので、連休が開けたらマラに送らなきゃ。もうちょっと検死出来た数が多かったら、ちゃんと突然死の原因をつとめられそうだったのに、死体2こじゃ無理だよ・・・。突然死と関連しているのか決めれないのが、残念だ。私が帰ってから見つかったシマウマ3頭の検死、ちゃんとしたかったな。

シマウマの子供のバクテリア培養は何も特別なものは出てこなかった。組織結果は、検死した時の予想通り、極度の helminthosis (英和辞書に載ってたが漢字の変換が出来ない)→簡単に言えば、寄生虫が多すぎて貧血状態ってこと。Anaplocephala spp の回虫もいっぱいいたが、多かったのが Stryongylus spp.という虫(S.vulgari, S.equines, S. edentatus)。胃の中にはいっぱいGastrophilus spp という虫が張り付いていて、S. edentatus による寄生性肝炎もちょい起きてた。直接な死因は寄生虫による貧血。S.vulgari による colic の可能性もなくはないんだけど、腸が壊死している個所もなかったからなぁ。まぁ、どちらにしろこのケースは突然死とはあんまり関連してないと思う。

トピの肺組織からは、一部の個所から Dictylocaulus の成虫、幼虫、卵が出てきたので、寄生性肺炎を起こしていたらしい。肉眼では何も見えなかったのだが、暗闇で検死してたからよく見えてなかったのかもしれない。バクテリア培養からはブドウ球菌、カビ培養では Trichopyton が出たと言う。Trichopyton〜?!そんな訳ないだろ〜、肺の膿からサンプル取ったのに!(Trichopyton は皮膚に生えるカビ)。Macroconidia があるから Trichopyton だと言うが、間違ってないかい・・・?カビで肺炎を起こして急死するなら、たぶん Aspergillus ではないかと思うのだが、肺が虚脱していなかったのでそこまで確信はない・・・。ということで、なんのカビなのか、よく分からん・・・(涙)。寄生性肺炎で、ブドウ球菌とカビによる二次感染が起こったのではないかと推定する。しかし、全く生きている時の症状を見ていないので、検死だけじゃホント難しいです・・・。

心に穴が開いてしまったように悲しくても、次の日は来る。私が元気がないと犬達にうつるのか、昨日はヤマトが何を食べたのかゲーゲー吐いてた。あまりにも吐くので点滴をして、抗生物質や吐き止めなどの注射をしていたけど、今日は元気になって走り回ってので回復したらしい。まだまだ福ちゃんがいつも寝ていたベットの端っこやソファーに目がいくたびに、涙がジワっと来てしまいます。1つの命を育てあげるのはあんなに大変なのに、命を奪うのはなんと簡単なものか。今まで、いっぱい病気や怪我、そして死んだ動物を見てきている。普通の人より病気のことを知っているから、自分のペット達が病気なるとやたら心配になる。そして、ケニアに長いこと住んでいてどのようなことが起きる可能性があるか知っているから、福ちゃんがいなくなった時も楽天的には考えられなかった。死体が見つかる前も、こんなことになるのではないかとずっと感じていた。親友エミコが書いていたように、生きて帰ってこれる可能性はほとんどなかったこと分かっていた。だから、キチガイのように探したし、心配した。奇跡猫の福ちゃんだから、その可能性に勝って帰って来てくれるかと願ったが、無理だった。でも福ちゃんは、外に出たこともなかったのにうちの隣まで帰ってきて、すごく頑張ってくれたから・・・。

あの日、胎児を拾ってきた時は、最初は生き延びるなんて思っていなかった。ただ「生き延びれるかな?」みたいな興味半分で、ミルクが飲めなかった最初の日のDextroseの腹内注射なんかもした(子豚じゃないのに、ごめん)。私も含めて、誰もあの胎児が生き延びるとは思っていなかった。でも、ヤマトの養子になった福ちゃんは子犬と一緒にゆっくり大きくなっていった。ミルクを飲めるようになって、毛がちゃんと生えて、目が開いて、歩けるようになって、ご飯が食べれるようになって、走れるようになって、どんどん大きくなってみんなを驚かせた。手間かかったけど、手間かかった分だけ、私にとってはやたらかわいかった。痩せ気味の猫だったから、いっぱい食べさせてもっと大きくしようとしていたのに・・・。福ちゃんがでっかい猫になった姿、見たかったな・・・。

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12月25日

今日はクリニックにあずけていたムサシ、マイレとマリモが家に帰ってきた。やっとうちに帰れてうれしそうで、鎖につながれていた時はストレスたまって暴れていたマリモも庭で静かに昼寝なんぞしている。福ちゃんの二の舞にならないように、トラちゃんを外の犬達に慣らす訓練を始めた。大きな犬を1匹ずつ台所に入れて、トラちゃんと私でしばらくお菓子(オメナ=煮干)などあげながら過ごした。いつもなら大きな犬を見るだけでふくれあがって暴れるトラちゃんだけど、今日は不思議なほど落ち着いていて、犬を見てもリラックスしている。犬達も不信がってるが攻撃的な行動を見せないので、毎日続けていれば慣れてくれるのではないかと思う。もっと早くに福ちゃんも外犬に慣らしておけば、こんなことにならなかったのではと思ったりしてしまうが、すべてがもう遅い。忙しさに追われて、ちゃんと慣らしてあげなかったのは、完全に私のせいだと思う。それに発情期が来た時にすぐ不妊手術をしなかったことも後悔している。自分勝手だが、自分の猫に開腹手術させるのはかわいそうと感じてしまっていて、出来るならしたくなかったのが本心かもしれない。さらに自分で出来るから、いつでも出来るとか思っていた。飼い主の怠慢だったのかもしれない。来週中にトラちゃんとマリモの不妊手術をすることにする。自分のペットの手術は感情があってあまり冷静になれないから好きじゃないのだが、今回はあえて自分でしようと思う。

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福ちゃんを育てあげたヤマト(左)と福ちゃんが選んだお友達のトラちゃん(右)。

今年のクリスマスは、今までの中で最悪かもしれない。こんな悲しいクリスマスは初めてだったので、「クリスマスにこんなに不幸なのは私ぐらい・・・」とかガックリしてた。そしたら、家に向かう高速のディバイダーの中、暗闇で溝の中で一人で焚き火にあたっているホームレスを発見。そしてそのすぐ先には、高速なのにすごい人だかり。渋滞を起こして、ゆっくり進む車から人だかりの中を見たら、車に跳ねられて脳みそや血が飛び散っている死体が横たわっていた(1mぐらいの至近距離で見えた)。クリスマスなのに・・・。ごめんなさい、私は不幸なんかじゃありません・・・。不幸とは明日まで生きることが出来ない人のことを言うものだよね・・・。ちゃんと明日から元気になるよう頑張ります。



12月24日

福ちゃんは、生きて私の元には帰ってきてはくれませんでした。うちの庭のゴミを焼く場所に腐敗した死体が投げ込まれていました。たぶん場所から言って、隣の家の人しか投げ込まれる場所じゃないです。こんなに感情的で自分のペットに対してはボロボロになってしまう私ですが、これでも新米獣医です。ちゃんと自分の愛する猫に何が起きたか調べました。それが今の私が彼女に対して出来る最後のことだと感じたから。福ちゃんの死因は犬に殺されたものでした。耳、頬、腹部、臀部に犬歯の跡がありました。死亡時間は3日ぐらい前だと推定できます。福ちゃんは3日前までうちに帰ろうと頑張っていたんだと思います。痩せていなかったので、自分でハンティングして食べていたのでしょう。なかなかうちへの帰り道が分からなくて迷っていた。そしてやっとうちの傍まで来た時に犬に襲われ、隣の家の庭で死んだ。隣の人は自分の家の庭に死体があってびっくりしたので、うちに放り投げたと思います。福ちゃんは、最後にやっとうちに帰ってきてくれました。福ちゃんをお腹の中から取り出したのは私、ちゃんと最後まで自分の手で葬ってあげたくて、庭で焼いてあげました。悲しいです、悔しいです。でも、もう起こってしまったことなので、何も出来ません。残されたトラちゃん、ヤマト、コユキ、シノ、ムサシ、マイレとマリモと共に頑張っていくしかありません。福ちゃんが私に教えてくれたことはいっぱいです。胎児を育てる大変さ、命の尊さ、生命の強さ、猫の愛らしさ、猫科内科の難しさ、すべて彼女が私に教えてくれたことです。ありがとう、福ちゃん。そして、さようなら、福ちゃん。もっと早く見つけてあげられなくて、ごめんね・・・。もう頑張らなくていいから、天国で安らかに眠ってください。

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12月23日

昨日の晩、かなり近くの家でバンバン花火が上がってた。クリスマスもまだ3日あるし、ディワリー(インドのお祭り、よく花火を上げる)もとっくに過ぎたのにな、なんて思って花火を見上げていたら、今朝になってびっくり!なんと、その花火は泥棒が銃声のカモフラージュのために上げたものだったらしい。うちの下の道にキバキ大統領の息子が住んでいて(知らんかった)、そこを狙ったとか。むむむ・・・、ケニアの泥棒にも、頭脳犯が増えてきたのね!今日は午前中までかなりの数のセキュリティー会社が近所をパトロールをしていました。クリスマス間近で夜間は危険になってきたので、福ちゃん探しは早朝だけにしざるをえないみたいです。後、そこいらじゅうに張ってある「迷子猫」のビラ、よく考えたら私の携帯番号がすべて書いてあるので、泥棒とかに騙される可能性もあることに気がついた。パトリック(ジェーンが休暇行ってる間の変わり、うちの日曜だけの庭師)とも話して、危ないので、もし誰かが「猫が見つかった」と電話してきても、私一人では行かないことに決めた(パトリック同行でだけ)。後、夜7時を過ぎて暗くなってから猫の呼び出しがかかってきたら、警察署に届けてもらって次の朝に行くこと。そして、家には誰も入れないで、警察署で情報主と待ち合わせをするという形を取ることにした。クリスマスと正月は危ないので、1月過ぎるまでこの方法を取るしかなさそう。ゾウには効きそうもなかったスタンガン、情報主と待ち合わせをする時は、騙されたりすると怖いので必ず持っていこうっと。今まであまりにも辛かったので人に会えなかったんだけど、夜は10日ぶりに友達の家に顔を出して少し元気が出た。



12月21日

大家の弟と喋って、明日大家の奥さん(本人はウガンダ在住)に講義をする予定。「3ヶ月のワーニングもなしに家賃値上げはフェアじゃない」という理由で。なぜなら、「家を引っ越す時は必ず3ヶ月先に報告するように」と私は言われていたのに、なぜ本人は家賃値上げについてそれしない?いきなり後1週間で「値上げ、さもなくは出ていけ」なんて、気がおかしいとしか思えない。1週間で新しい家探して引越しなんて出来るわけないだろうが。本人は「携帯メールで送ったのに届いていないのはそっちのせい」とか言ってるけど、そんな大事な家の契約のことを携帯メールで送る奴が、この世にいるか?マラにいたから、サファリコムの携帯メールなんてつながらなかったし、私はそんなメール受け取っていない。とりあえず、3月末まではこの家にいつくつもり。3月までには福ちゃんが帰ってくるかどうか分かるだろうし、今は福ちゃんのことしか考えられない。福ちゃんが帰ってきたらすぐ引越しできるように、家の物を少しずつ片付け始めた。



12月20日

早朝、大家がいきなり来月から家賃200ドル増しするとか電話してきた。そんなことって、ありなの・・・?誰かうちに住んでくれて一緒に家賃分けてくれる人が欲しい・・・。福ちゃんが帰ってくるまで、絶対にこの家は出れない。でないと、一生福ちゃんは帰って来れない。不運続きで、頭がガンガンする。

夜10時、近所で「バーン!」と銃声が鳴り響いた。ぐぇっ・・・。銃声が聞こえてくるのは、いつものように、うちの下の方の家(かなり遠くだけど銃声は聞こえる)。クリスマス4日前、ついに泥棒さん達が稼ぎ出したらしい。4日前まで静かだったなんて、今年は銃声が鳴り響く時期がちょい遅いような気がする。確か去年は12月入ってすぐ夜な夜な銃声聞いて寝てたような気がするのに。今まで福ちゃんが夜帰って来れるようにと居間のガラス戸を開けっ放し(と言っても鉄の門はあるけど)にしていたが、銃声を聞き、今日から閉めることにした(ごめん、福ちゃん)。夜は治安が悪くなって来たようなので、明日からは福ちゃんサーチは早朝だけしか出来なくなりそう・・・。

トピの培養からは、カビが出おった・・・。シマウマは予想通り何も出ず。明日の組織サンプルの結果を待たなければ。



12月19日

朝起きたら、泣きながら寝たので熱があるし、目も咽も痛い。具合が悪くて昼すぎまで寝込んでいたら、ちょっと前にクリニックで腫瘍を取る手術をした猫の飼い主さんから届け物が置いてあった。開けてみると、灰色の猫の置物でブルーのリボンとメッセージカードが首にかけてあった。カードには、「絶対に帰ってくるから、諦めないで!」と書いてあった。こないだ手術終わって猫を返した時は、彼女が泣いていて私が慰めてたんだけど、今度は立場が反対になってしまって、彼女の思いやりが心にしみる。昨日散々泣いたのに、置物を見た途端、またジワッと涙が出てしまった。親からも「あんまり泣いてばかりいないで、そろそろ獣医の顔にもどったら・・・」というメールが来た。自分でも分かってるんだけど、自分の動物のこととなると、なんとも感情コントロールがきかない・・・。私がいつものように猪突猛進可能なのは、愛する家族や家にいる動物達が元気でやっている時だけなんだよね・・・。1月にまたブッシュに入らないといけないのに、その前までにいつもの元気レベルに戻れるのだろうか。



12月18日

今日は、「猫がひかれてる」とか「動物の死体があった」とか嫌な報告ばっかりだったので、夜にはやりきれなくなって涙が止まらなくなった・・・。親に昔、「あなたは感情が激しくて、まるで外人みたいね」とよく言われたが、自分でもそう思う。好きになったものには、人一倍に思い入れが強いんだと思う。だから精神的にやられると、体にも出てきて体力的に辛い・・・。体重計に乗ってみると、日本で増えた体重が知らない間に3キロ減ってた。つくづく小動物治療にゃ関わっていくのは無理だなと思う・・・。



12月17日

見つからない・・・。今日は何の情報も手に入らなかった。どんな手を打てばいいのか、分からない。トラちゃんも一人で寂しがって、あんまりご飯食べなくなってしまった。私の行動は、回りのケニア人にはこっけいにうつるみたい。「猫ごときにあんなに必死になって、あのムズング、魔術でもかけられたんじゃない?」と笑いながらジェーンに言っていたらしい。どんなに私にとって大切か、誰にも分からないよね。毛も生えてない親指ぐらいの胎児から、私の手で育てたんだもん。大きくなるとは誰も思っていなかったけど、愛情込めて育てたら元気に大きくなった。みんなに奇跡だと言われた。でも、特別なことした訳じゃない、ただ愛情いっぱいそそいだだけ。今はその奇跡が起こって欲しい。福ちゃん、帰ってきてください。



12月16日

今日も同じことやってます。「昨日の夜、何匹かの猫が塀の向こうで歩いていたので、フク、フクと呼ぶと1匹だけニャーと声をあげる猫がいた。でも、塀の向こうだったのでどっか行ってしまった」という報告を受けた。今日はうちの家から猫の集まる場所までの15件ぐらいの家の庭、全部探させてもらったのに猫1匹も見当たらなかった。報告は、本当なのだろうか?みんな適当なことを言っているような気がしてならない。

福ちゃんのことで忙しいのに、マラのレンジャーから電話がいっぱいきた。「シマウマが今日3頭死んでいるのが発見された!」と、みんなかなり興奮した様子。なぜ2週間ずっと探し回っていた時に発見されないで、私が帰ってから4日後に3頭も発見されるかな・・・?検死のやり方を電話で説明したが、「誰も怖がって死体を開けようとする奴はいない」とのこと。まぁ、やりたくないという気持ちは分かるが、私的にはこの2週間の苦労が意味なしになるので、やりきれない・・・。バクテリア培養も何も出てこないし、血液スライドもなんのバクテリアも見えないときた。ラボの人に頼んでいるのに、なぜか使用した寒天培地は、血液寒天とマコンキーだけだと言う。急いでんだから、最初っからカビ用のサブローブドウ糖寒天や嫌気菌用もチェックしてくれよ・・・。組織サンプルも来週の水曜以降とか言うし、あぁ〜ついてないことばっか。



12月15日

朝6時前から9時まで、猫が来ると言われる場所に行っていました。猫が3匹ぐらいいたけど、どれも福ちゃんじゃなかった。黒猫がいたが、昨日「黒いオス猫が小さな灰色の猫を追いかけていた」と聞いたが、その黒猫なのだろうか?ジェーンも一日中探し回っていて、「灰色の人懐っこい猫がいる」という情報を元にロレショからちょっと離れたカウモニで1時間ぐらい茂みで猫を探していた(結局灰色の縞猫だったらしい)。午後はマトレの所に行って、ムサシ達の散歩をして、ご飯をあげてきた。どうやらムサシは小屋に入れられているので、全然トイレをしていないらしい。小屋でウンコはしないようしつけたので、我慢していてかわいそう。他の人が庭に出してもウンコをしなかったらしいが、私が散歩に連れていってあげたら、すぐウンコしてた。どうやら毎日クリニックに行って、3匹の散歩もちゃんとしないとダメみたい。

今日で丸3日、行方不明の福ちゃん。早朝から夜遅くまで、ずっと探しているが、まだ見つからない。木の上も、茂みの中も、塀の上も、下水道の中も捜した。あまりにも猫を探し続けてるので、気のせいか、時々猫の鳴き声が聞こえたりし始めた。勝手に自分が聞きたい声を想像しているのかもしれない。夜帰ってきて夜空を見上げてみると、満月だった。アフリカから見える満月にも、ウサギが見える。しばらくボーっと月を眺めて、「福ちゃんが無事に帰ってきますように」と、お月様にお願いした。部屋に帰ってみると、トラちゃんが本棚から器用に本を1冊だけ引っかきだしている。見てみると、こないだ香港で買った猫の本で、表紙に福ちゃんそっくりなロシアンブルーの子猫の写真が載っていた。満月の夜は不思議なことが起こると聞く、奇跡が起きて欲しい。



12月14日

朝6時に外回っていたら、茂みの中に小さい灰色の猫がいた。「福ちゃん!」と呼んでも、見向きもしないで走って逃げてしまいました。追いかけていって見てみると、灰色だけど胸の部分が白く、福ちゃんではない・・・。今まで一度も家の外に出たことがない福ちゃん、ちゃんと生き延びているのか。大きな犬が庭をウロウロしてたら帰ってこれないから、昨日から外犬3匹はマトレのところで預かってもらっています。ヤマト達はベランダに入れられて、庭には1匹も犬がいなく、居間の開き戸は昼夜1日中開けっ放しです。今日は200枚、迷子猫のビラを近所の家にくばった。回りにキチガイと思われてもいい、福ちゃんに生きて帰ってきて欲しい。夕方、「灰色の猫がうちにいついている」という連絡を受けて近所の家に行きました。確かに灰色の猫で、人懐っこくて、目の色から何まで福ちゃんに瓜二つ。でも、福ちゃんよりかなり大きくて、違う・・・。あまりにもそっくりな猫だったので、ガックリきて、頭が痛くなってしまいました。夜は7時から11時まで、近所の猫がいっぱい集まるという場所で張り込んでいたけど、結局猫は来ませんでした。明日の早朝も、その場所に行く予定。



12月13日

朝の5時に起きて、近所をずっと回っています。まだ福ちゃんは見つかりません。ゲートなどに「迷子猫」のポスターを張って、近所のガードやシャンバボーイ(庭師)などに「猫を見つけた人に報酬あり」と伝えました。猫なんかに絶対に注意しないこっちの人。お金が出るということで、せめて誰か猫を探してくれることを祈ってます。今のところ、「庭で猫が死んでいる」という報告がないのだけが、心の支え。夕方になって、「朝方に小さな灰色の猫が通った」と言っていた人がいました。福ちゃんが無事に犬がいっぱい放浪している夜を生き延びたのだと信じたいです。心配で泣き続けているので、目が腫れまくってます。



12月12日

途中でひどいパンクしたりとハプニングだらけだったけど、やっとナイロビに帰ってきました。久しぶりに元気な犬猫達に再会し、夕方ちょっと出かけて帰ってきたら、福ちゃんが家からいなくなっていました。夜中の2時までずっと家も外も探しても見つからなくて、もうどうしていいか、分かりません・・・。生きて帰ってきて欲しいです。



12月11日

マサイランドにどっぷりつかった生活していたら、なんとなく昔知っていたマサイ語が戻ってきました。昔知っていたって言っても、かなりベーシックな会話ぐらいしか分からなかったんだけどさ。回りが喋ってる会話の中に、知っている単語がちらほら。まぁ、最初っからそんな複雑な会話をしている方たちでもないし、もうちょっと長くいたら分かりそうな感じです。自分のレパートリーに、「日本語」、「英語」、「スワヒリ語」に、もう一つ「マサイ語」ってのも入れたいな。毎日少しづつ単語でも覚えて頑張ろっと。

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マニヤッタ(村)でお茶に御呼ばれ。



12月10日

昨日の早朝、ゾウやバッファローのおかげで寝不足だったけど、頑張って早朝6時の割礼式に行ってきました。男の子の割礼らしいっす。「え?女の私が見ていいの?」とびっくりしてると、「誰が見ても構わない」と言う。割礼される男の子は2人。どっちも13歳ぐらいだと思う。歌う真っ赤な髪をした戦士達に囲まれてやってきた。2人とも、かなり緊張している(そりゃするだろうけど)。顔の表情が凍りついてる・・・。牛の皮の敷物が床に置かれると、男の子が一人座り込んだ。そして、暴れないようにするためなのか、後ろから人に押さえつけられ、両足も一人ずつ抑える人がいる。終わった後、足がプルプル小刻みに震えてた。麻酔なんてないし、やっぱ、怖いよねぇ・・・。

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割礼式(ダレンゴ)での食事。肉だけ!(他のメニューはまだ出来てなかったらしい)

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皿は葉っぱじゃ♪もう少し小さめに切ってくれるといいのに・・・。



12月9日

こっちでは、ずっとキャンプ生活しております。ゾウの移動とかの時も、いつもテントを張って寝てるので慣れていたんだけど、今回はかなり怖い目あってます(涙)。ゲートの近くにすむレンジャー達の家からかなり離れたキャンプサイトに、一人でヘボイちっこいテント張って寝起きしてるのね。まぁ、テントなんて布で出来たもんだから、何か起きたら何の防御にはならないんだろうけど、人間ってのはおかしなもんで、ただの布でも家だと思うと安心しちゃったりするわけですよ。そして、自分がただの布に包まれているだけだと思い知る瞬間、それは夜中に近くで動物の鳴き声なんぞ聞いて起きてしまった時。昨夜12時ごろ。まさにその恐怖の瞬間がやってきました。3日ほど前にハイエナらしきものがテントの臭いをフンフン嗅いでいってかなりギョッとしたけど、そんなレベルの恐怖感じゃないっす。めちゃくちゃでっかい声が頭のすぐ近くで聞こえたのよ。

「ギャォォー!!!ギャォォー!!!パォォーン!!!」

ゾ、ゾウ・・・・(硬直)。

叫び声は若いゾウが遊んでいるっぽいが、よく耳をすましてみると、四方から静かに草が踏まれる音と「ゴロゴロゴロ・・・」というホースの中を水が通っていくようなでっかい音が聞こえる。む、群れに囲まれたぁ〜〜・・・。人間、本当に恐怖を感じた時って、声が出ないのね。ただ黙って、恐怖で硬直するのみ。テントのすぐ横に車を止めているので非難しようかと思ったけど、テントから急に出てゾウを驚かしてしまった時のことを考えると、絶対に息を殺して彼らが通り過ぎるのを待つ方が正解と判断。私ゃ何も悪いしないから、静かに草でも食ってどっか行ってくれっ!暗闇で何も見えないのがまた恐怖感をそそる。ゾウに踏みつけられたら何も意味がないのだろうが、なぜかいつものくせでメガネをかける私(なぜ?)。右手には日本で通販で買った防犯グッズのスタンガン、左手には通販のおまけでついてきた唐辛子スプレーを握り締め、はたから見ればかなり笑える。「75万ボルトの威力!」などと書いてあったが、さすがの75万ボルトもゾウの群れに囲まれてしまった今となりゃ、何の心の支えにもならんわっ!(泣)ずっとテントの周りでゾウが動いたり息をする音がしている。ま・・・、まじめに怖いっす!!すると、手がかすかに震えて、「バチバチッ!」。思わずスタンガンのスイッチを押してしまったぃ・・・。途端にゾウの動きが完全に止まる。沈黙・・・。さらに沈黙・・・。ゾウをかなり緊張させてしまったのが、雰囲気で感じられる。あすかのバカバカバカ!なんでこんな時にスタンガン鳴らすのよっ!?

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結局、ゾウ達が去ってくれたのは、その約1時間後(3時間ぐらいに感じた)。そして、ゾウ達と入れ替わりに、またまたテントのすぐ横で「キュッ、キュッ、キュッ」という草を引きちぎる音が聞こえ出した。おまけに、「ギュッギュッ」と草を蹄で踏みつける音までする。ま、またぁ・・・??音の大きさから言って、シマウマでもヌーでもない。かと言って、カバが草を食べるほど大きな音でもない。ひょっとしてひょっとすると・・・・バ、バッバロー?!(大泣) あまりの恐怖心についに諦めが入り、手の震えもなくなってしまった。も〜〜、どうにでもしてぇ〜〜!!バッファローが30分後に通り過ぎた後、即効車に移動して狭い車内で2時に消灯。その後、車の近くでライオンが「ガルガル」言いながらカバを追いかけていたらしいが、疲れていたので爆睡してて気がつかなかった(後でレンジャーに言われた)。こんなに恐怖感を感じたのは、かなり久しぶり。

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12月8日

「昨日の夕方、崖の下にシマウマの死体があったぞ」という報告あり。現場が見下ろせる場所に行ってみると、かなり急な崖で上から降りるのはほぼ不可能。死体もどこにあるのか見えない。結局、崖下の保護区内から死体探しすることになった。けど、やたら暑くて歩くの辛いし、レンジャーと一緒とは言え、保護区内で歩くのはちょい緊張します(だってすぐ傍にバッファローとかいるんだもん)。結局1時間ぐらい丘を登って探したけど、シマウマの死体は見つからず・・・。またハイエナに先を越された(キー!)。

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丘の真中ぐらいに死体があるはずなんだけど・・・。

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車をかなり下の置いてきてます。近くにゃバッファローがいるので、ちょい怖い。

午後は、なぜか「マサイの割礼式」に出席。マニャッタ(村)に着くと、かなりの数のソーダが配られていて、綺麗な洋服を着てたり、つけ毛してる女の子もちらほら(通常マサイの女性はつるっぱげ)。ここから女の子5人と男の子2人が、明日の朝に割礼されるらしい。それにしても、割礼の為に髪の毛を剃られている女の子はみんな洋服着ていて、学校に行ってるっぽい子ばっかり。教育受けているのに女の割礼とかしちゃうのか・・・と、びっくり。教育受けていたら割礼なんかしたくないのかなとか思ってたんだけど、違うのかな。もしくは親に無理やり割礼させられるのか。女の子達は、明日の儀式のために髪の毛を剃られた後も、すぐバンダナ巻いてしまったり、眉毛を剃らないでいる子もいたりするので、あんまりしたくのではないのでは・・・?

しばらくすると、マニャッタの主が、「呼んでおいたドクターが来ない」と困っている。どうやら、自分の娘は学校に行っているし、ちゃんとした衛生が整っている施設で割礼したいらしい。衛星面に気をつけるのはいいことなので、薬箱に入っていたアルコール、イソジン、脱脂綿、手術用メス、傷口用の抗生物質パウダーなど一式あげとくことにしといた。すると、かなり喜ばれて、

「ありがとう!じゃぁ、女の子達の割礼も頼んでいいかな?」(頼まないで下さい!(泣))

「私は獣の医者だから、割礼なんて出来ませんって!」(涙目)

「そうか、それは残念だ。じゃぁ、病院でやってもらうから、一緒に見にくるか?」

「痛そうだから、いいです・・・」(誰が女のあそこ切られるのを見たいんじゃ)

いつも平気な顔して犬猫の去勢してても、人間の女の割礼は痛々しくて見たいとは思いません・・・。なので、明日の朝は男の子の割礼の儀式を見せてもらいに行ってきま〜す!(おほっ)

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割礼の前に髪の毛と眉毛をママ達に剃られる女の子達。



12月7日

インパラの死体見つけました。遠くでなんかの獣が死体を貪り食ってるな〜と思ったら、マサイの犬。顔を血で真っ赤に染めて、まるで獣だよ・・・。

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インパラの検死が終わって牛の群れの中にいたら、ゾウに追いかけられた。なんか小さいゾウが群れにいて、牛を大きな声をあげてけ散らしてた。ゾウは牛とかあんま好きじゃないみたい。特に羊やらヤギやらは嫌いで、羊の群れと遭遇すると全部踏み潰してしまうぐらい嫌いらしいね。なんでなんでしょう・・・?

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丘の上で巡回中。



12月6日

なんか、毎日、ハイエナと競争しております。「シマウマが死んでいる!」という報告を受けから現場に行くまでに、今日までに合計死体3つも食われました(悔)。ぐっ!!ただでさえこっちは毎日マサイからの報告だけを元に動いているっているのに、ハイエナやハゲタカと死体を争ってたら、勝ち目はないっしょ。なにしろ奴らは早い。嗅覚を元にして動いているので、視覚だけで死体捜しているうちらと比べ物にならんぐらい、早い!やっとの思いで死体見つけてハイエナに食われてグチャグチャにされていた時ほど悔しいことはない(キー!)。グチャグチャにされるぐらいならまだマシな方で、「昨日の夕方まで死体があった」とかのも骨も綺麗さっぱり、血痕とウンコぐらいしか残っていない時もしばしば。ハイエナが先か、あすかが先か!奴らが支配する闇が来るまでに死体を発見して検死を済まさなきゃいけないので、ホント、時間との戦いよ!死体探しの旅は、思ったより大変なのね・・・。

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先を越されるとこうなるので検死が出来ん・・・。

今日の自慢→牛につけられた家紋が分かるようになった♪(笑)。体の右側に描いてある模様と耳の切り方で、どこの誰かさんの牛かって分かるのね。実際にそれが読めるようになって、かなり感動〜♪家紋を知っていると、「これはオレ・キンパイさんちの牛」とか、「これはオレ・キンパイさんから買った牛」とか分かるのさ。今んとこ家紋5つしか分からないけど、もっといっぱい覚えよ〜!

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丘の上から保護区を見渡す。天国みたいに美しいっす。

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丘の上から保護区の外を見渡す。対して変わらない・・・?



12月5日

友達のNさんは、マサイマラでは「ナショパイ」というマサイネームで知られている。名前の意味は、「村に幸福をもたらす女」。幸福を運ぶ女なんて、なんていい名。ロマンチック〜♪私も、いつかそんな素敵な名前をもらいたいな〜って思っていたら、「お前にもマサイの名前をやろうじゃないか」。おおっ!ついに私もマサイネームをもらう日がやってきたのねん。

「お前のことは、「ノーンギシュ」と呼ぶことにしよう!」

んでんで、その名前の意味は・・・?

「牛好きな女じゃ!」 

す、素敵なお名前、ありがとぉぉ〜〜・・・(泣)。

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12月4日

昨日の夜、もう何もないなと思っていたら、いきなり仕事が入りました。「シマウマが死んでるぞ!」って、アンタ、今、もう夜だよ・・・。でも、次の日の朝まで待ったら、サバンナの「キファギオ(ホウキ)」→(ハイエナ)にやられてしまうから、真っ暗闇で検死をするはめに。夜10時まで検死してましたわ。夜中に車のライトの光を使って検死するなんて、なんてクソ真面目な私・・・。

おまけに、「シマウマが死んでいる」というリポートだったのに、なぜか行ってみたら死んでいたのはシマウマじゃなくて、「トピ」→(反芻動物の一種)。外傷もないし、かなりフレッシュな死体です。任せなさい、シマウマじゃなくても、ちゃんと検死しますわよ。内臓も別に問題ないな〜と思いながら、横隔膜を切った途端、ドバドバ!っと膿が混ざった液体が飛び出てきおった(きゃ〜)。懐中電灯で照らしてみると、オーマイガッ!とんでもないことになっとりますぅ〜・・・。横隔膜は膿まみれで腐敗しまくり。肺はひっどい炎症起こしてる個所、膿がへばりついた個所や、pleura に張り付いてしまっている個所などあり。心臓の回りも膿だらけ。気管も膿まじりの液体でいっぱい。かっなり、グロイ・・・。横隔膜には rumen から異物が突き出てしまった個所などが見つからないから、TRP (Traumatic Reticulopericarditis) じゃないみたい。バクテリオロジー用のサンプル収集して、臓器サンプル収集して、血液スライド作ってなど、いろいろやっていたら、あっという間に10時になってしまいました。バクテリア感染の肺炎には間違いないけど、トピって反芻動物だし、肺疫(Contagious Pleuropneumonia)とかじゃないことを祈る(かなりソックリ)。同じ症状で死んでいるトピがいっぱい見つかったら、はっきり言って危険だよな〜・・・。

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夜でトピの写真は撮れなかったので、パークで死んでたヌー。



12月3日

怖いです・・・、自分の手の指の間に水痘らしき物が1つ見つかりました。なんで怖いかって言うと、昨日シマウマの検死の後に「口蹄病」の牛の治療をしたから・・・。マサイいわく、「お前はマサイのように免疫強くないからな!」なんですと・・・。うちの病理の教授は、「あんま免疫力が強くない人は水痘がうつる」とか言ってました。昨日、「口蹄病っぽい牛がいるから来て欲しい」と言われて、夕方ド田舎の村に行ったんす。そしたら、いたの、口蹄病の牛がいっぱい。先進国じゃ騒ぎが起きそうな口蹄病、なんか、普通にありました。そして、同じく先進国じゃいけないんだろうけど、治療を頼まれたので治療しました。口の中も蹄の間も炎症止めの注射を打つほどひどくなっていなかったし、ウィルス性の病気だから、消毒して抗生物質打っておけばとアドバイス(抗生物質自分達で持ってたし)しといた。すると、

「消毒液はないけど、俺らは塩水や牛の尿を使うんだ!」

塩水はいいけど、オシッコは使わない方がいいと思うよ・・・。「尿は、効くぞ〜」って、アンタ、もし、レプトスパイラとかあったらうつりそうじゃん。消毒をする最中は手袋をしていたはずなのに、なぜか次の日に水痘が指に現れた(怖っ)。

それにしても、マサイは口蹄病、口蹄病と言うけど、なんかよく分からないんだよね。確かに歯茎にも灰色っぽい壊死した個所があるし、蹄の間の皮膚も剥がれてしまっているから、確かに口蹄病っぽいよ。でも、気になるのは、体中の皮膚に出ている点々のかさぶたみたいなもの。まるでカビ性の皮膚炎みたいな感じなの。口蹄病だったら、皮膚には何も出来なくない?(病理の本読んでみたけど、皮膚のことは出てないし)口と蹄に影響するのは、他にもリンダーペストや悪性カタル熱病とかがある。どっちも皮膚の炎症を起こすのね。リンダーペストの皮膚型は→「熱などが出ず、皮膚の症状が出る」と書いてあった。まぁ、どっちにしろウィルス感染だから治療は変わらないんだけど、今はヌーの大移動が過ぎた直後。なんかただの口蹄病じゃないような気がするのは気のせいだろうか・・・。

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サバンナでの巡回風景。囲いまで牛の追い込み。



12月2日

さっそく朝からスカウト(レンジャーみたいな人)と一緒に現場回り。そこいら辺で放牧している子供達などを情報源として、死んだシマウマがいないか、永遠とサバンナをさ迷うこと3時間。昼ごろになって、やっと見つけましたよ、シマウマの死体〜!死んでいたのは、6ヶ月ぐらいの子シマウマ。しかも、超フレッシュっす(早朝ぐらいに死んだと想定する)。ふむふむ、確かに外傷はない・・・っつ〜か、あるぞ、外傷!思い切りあります、なんか綺麗な切り口が・・・(ナイフっぽい)。どういうこと?などど思っていたら、案の定、「心配するな、この傷は子供達が犬にあげようとして切ったらしい」(やっぱ) その外傷を覗けば、見たところ、出血なし、外傷なし、怪しいとこなし、って感じ?でも、歯茎とか目の粘膜がやったら真っ白なのが気になる・・・。さて、皮剥いで腹でも開けるかしらね。すると、腹の中はガキンチョが腹をナイフで一突きしたおかげで、ウンコまみれ・・・(オ〜イェ〜)。そして、ほとんどの臓器が真っ白になってて、かなりの貧血状態。それにしても、なんか感染症とかの気配ないんすけど、気のせい?見つかるのは、大量なミニョー(回虫)。出てくる、出てくる。大腸も小腸も胃も、ミニョーばっかし。馬の胃に張り付いているオレンジの頭した虫(Gastrophilus spp.)、寄生虫学でホルマリン漬けのは見たことあるけど、ムニムニ動いているのは初めてじゃ(ぎもじわるぃ・・・)。回りで見ていたマサイ達も、「オーショ!(マサイ語の奇声)」。

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それにしても、マサイ達、牛やヤギとかの反芻動物ばっか解体しているから、馬系の体の仕組みが珍しくて仕方ないみたい。「これは何だ?」、「あれは何だ?」と興味深々(でも、単純な腎臓とかを何?とか聞いてくるので笑える) 結局、舌から大腸まで全部調べて大量の回虫と虫以外は何も怪しいもんは見つからなかった。真っ白な臓器に大量の回虫、どう見てもただの極度の数の回虫による貧血状態にしか見えないんだけど・・・。そんな簡単なことでいいの・・・?シマウマは通常ひどい数の回虫を抱えているんだけど、時々体が耐えられないレベルの数になってしまうと死ぬらしい。これも、そうだと思う・・・んだけど、かなりふに落ちないですわ。今までの突然死は全部大人だし、絶対このシマウマの赤ちゃんは、今までとは関係ないもんだと思う。早く、大人のシマウマの死体を見つけなければ!

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12月1日

シマウマの検死旅行、いざ出発〜!って・・・、朝早く出ようと思っていたんだけど、財布にガソリン代も入っていないので銀行が開くの待っていたりしたら、あっという間に10時・・・。目的地までにゃ、運転7時間半なのにぃ〜(泣)。あぁ、毎回毎回、朝早く出発しようと思っているんだけど、レイジーな私には無理・・・。んで、行き先はどこかって?シマウマのいっぱいいる場所ですわよ、シマウマの♪そう、サバンナです♪そして、サバンナと言ったらマサイマラ国立保護区でしょう。行く途中では、シマウマどころか、キリンの群れに遭遇しました。しかも、今まで見たことないぐらいの巨大な群れ。その数、なんと35頭(びっくり)。

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今日は到着したけど、現場に入るのは、明日。レンジャーの一人が、「やたらシマウマの流産も多いらしいよ」。流産・・・、また、そんな難しいこと言ぅ〜。う〜ん、う〜ん、突然死、流産、他の種は死んでいない・・・。ウィルス感染症か?分から〜んっ!やっぱ、明日ちゃんと実物の死体を見つけて調べないと、見当もつかんわ。

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しかし、マラまでの道は悪いぜ・・・。



11月30日

「検死に使う器具はこっちでお金出します」と言われたので、検死グッズ買ってくることにしました。まぁ、うちの家にもあるにはあるアイテムだが、絶対に自分のは使いたくないからね・・・。「死体を解体用ナイフ」と「台所のナイフ」は別物でありたいです、はい。でっかい長刀みたいなパンガ、ナイフ2本、ハサミ、サンプル採集用のコンテナ、ゴム手袋、10%ホルマリン、顕微鏡のスライド、などなど。その他にもキャンプ生活用のテント、寝袋、マット、鍋、フライパン、コップにお皿。そして、これは絶対に必要になると思われる、私の助っ人軍団の教科書ちゃん達・・・(病理学、内科学、細菌学、野生動物内科学など)。最終的には結構な物の数になり、車の後ろが物でいっぱいになってしもうた。



11月29日

「シマウマが突然死をしているんだ。現地に行ってシマウマの死因を調べてくれないかね?」

急な頼まれ事されました。2週間の間にシマウマが8頭ほど外傷なしで死んでいるらしい。なぬ、突然死・・・。炭素菌?(かなり単純な発想) しかし、情報によると他の動物は全く問題がなく、シマウマだけ突然死をしているのらしいから、炭素菌じゃなさそう。現時点で手に入ってきた情報は、「2週間でシマウマ8頭が死亡」、「外傷なし」、「他の動物は影響されていない」の3つだけ。む、難しいな・・・。いったい何ざんしょ?死体も見ていないし、現場も見ていないので、見当もつきましぇ〜ん(泣)。ということで、

「これから現場に入ります」

おぉ、なんかかっこいい響き♪(まるで、踊る大走査線)それにしても、「死因をつきとめてくれ」なんて、まるで、ディスかバリーチャンネルでのフォレンジック・サイエンスの世界じゃないですか。ディテクティブ・あすかよ、おほっ♪(一応ポーズ決めてかっこつけてみたが、死因の見当もつかないので病理の教科書引っ張りだすおバカな私・・・)