獣の女医 in アフリカ
8月29日

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毎朝ヌーの大群で道が渋滞しています。午後に帰って来る時も、かなりの渋滞。彼らが通り過ぎるの待ってノロノロ運転するので、かなり時間かかります。しかし、ただでさえ雨降ってなくて埃だらけなのに、ヌーが蹴り上げる埃はさらに目に入りまくるので勘弁して欲しい・・・。

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8月28日

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昨晩、ティピリクワーニというタレック・ゲート近くのロッジが泥棒に入られたというので、追跡犬とハンドラーたちは、今朝6時まで真っ暗闇を追跡していました。今回は現金とカメラを盗まれたそう。犯人のトラックは200人はいるだろうってぐらい巨大なマニャッタ(マサイの村)まで追跡されたけど、そこから家畜やら人のトラック汚染で追跡出来なかった。ナロック州のレンジャーたちと警察が引き続きマニャッタ内で犯人探しするそうです。

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アメリカの警察犬の雑誌にうちらの追跡犬ユニットのことが載りました!!


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8月27日

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10ヶ月と1週間になった、キジャーナ君。昨日からトコトコと10〜15歩、歩き出しました。9ヶ月半で2歩まで歩けたんだけど、しばらくその先が進んでいなかったんだよね。突然トコトコトコッと前進し出して、最初の日に10歩、12歩、8歩といきなり合計30歩も歩いてくれましたよ。(今は大喜びしてるけど、すぐにとんでもないパワーでそこいら辺にすっ飛んで行かれそうで大変そう・・・)



8月26日

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追跡犬同行のアンブッシュ(夜間襲撃)に行く時に見えた、奇麗な夕日。

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トムソンガゼルのシルエット。

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8月25日

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マラトライアングル内の雄ライオンの一頭が、ライオン同士の喧嘩で殺されました。背骨を一撃され(よくあるライオンの喧嘩の怪我)、顔も牙の跡だらけでした。このライオン、こないだ雌と交尾していたのを見たばっかりだったのに、死んでしまったのね・・・。他の雄ライオンがこのテリトリーを乗っ取ったなら、あの雌ライオンに子供が産まれても殺されてしまうのほぼ確実。サバンナの現実は厳しいです。

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生きていた頃の雄ライオン。


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8月24日

まるでヌーが燃え上がっているよう。っていうか、すごく近くで火がパチパチ燃えているのにあんまり気にしないで草食べ続けているヌーって、すごくない?

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8月23日

先日のマサイによる放火で一番火がひどく燃え上がっていた夜の写真。

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8月22日

昨日は沼に落ちて動けなくなっていたシマウマの子、今日はヌーの子をレスキューしました。

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8月21日

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2晩続けてレンジャーたちが火消しに回っているのに、また火が消えた場所からまた炎が上がってしまっています。とにかく、風が強い。そして、草が乾き過ぎている。道の前で止まっていたのに小さい火の粉が飛び散って、道の反対側にまで火が飛んで行ってしまっています。

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ナロックの方で、昨日、中国人の観光客をいっぱい乗せたミニバンがチーターの赤ちゃんに近づき過ぎてひき殺したという悲惨な事件が起きました。どこの会社かは、まだ分かっていません。動物に近づいてはいけないってルール、違犯した観光客は「せっかく楽しくサファリしているのに気分を害した」とか「レンジャーたちがいちゃもん付けてくる」とか文句言う人ばっかりだけど、何考えてんの?チーターの赤ちゃん、歩き出したばっかりのヨチヨチ歩きで、除けることも出来なかったみたい。絶滅寸前の動物をひき殺すって、牢屋に入れられてもいいぐらいの罪じゃない訳?

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8月20日

早朝からトレーニングして、帰って来て昼ご飯を食べて少し休憩〜とか思っていたら、マークから電話。

「サルニ・キャンプに泥棒が入ったから、犬を連れて来て!」

すぐにサルニにモラニとアナを連れて行きました。どうやら金庫が盗まれたそうです。でも、ボルトを中から外していて、どう見ても内部の犯行・・・。とりあえず、足跡がテントから森に入っていくので、モラニで追跡開始しました。森を抜けた時点で、道にぶつかり、そこで足跡が消えた。足跡が消えた場所から、なんか怪しい場所に隠れている自転車の跡を発見。どうもチャリで逃げたっぽく、今度はチャリの跡をレンジャーたちが追跡しました。そして、夕方遅く、容疑者を4人を捕まえました。

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どうよ、この「逃亡車」?!

結局、帰って来たのは夜9時。昨日からマラ・トライアングル内の3カ所でマサイによる放火があり、闇夜でサバンナが火が燃え続けてた。レンジャーたちも毎晩寝ないで火消ししてるけど、風が強いし草が乾きまくってるので、ファイヤー・ブレークとなっていた道を越えて、すごいことに。約15,000ヘクタールが焼け野原になっています。

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8月19日

レンジャーからのほぼ強制的なお呼ばれで、マサイの戦士の卒業式に行って来ました。リンダたちは大喜びしていたけど、私は行きと帰りの往復5時間の悪路運転で、めっちゃ疲れたっすよ〜。

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8月18日

昨日、友達のKWSの野生動物獣医が寄生虫学者とサンプル採集していたので、一緒に溺れ死んだヌーの死体をマラ川から引っ張り上げるのに参加して来ました。かなり久しぶりの解剖だったので、臭い〜〜〜〜・・・。

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寄生虫学者のおじさんが、溺れ死んだヌーをロープで岸近くまで引き上げます。

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側に5メートル近いワニがうようよしてたので、水に落ちないように気をつけなければ。

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ロープ投げて死体を引き寄せるのはいいけど、落っこちないでね・・・。

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ナイフ研ぎババア登場です。


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8月17日

昨日、うちらのレンジャーとセレンゲッティのレンジャーの合同パトロールで、密猟者13人が逮捕されました!

よくやったぞ、みんな〜!

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これは、密猟者が殺した動物のごく一部。


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8月16日

オロロロ・ゲートで犬のトレーニングをしているところに、お電話。「怪我したカバがいるらしいから、治療するケースか安楽死(射殺)するケースか状況判断してきて」ということなので、怪我したカバがいるオロナナ・ロッジに行ってきました。

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何でこうなったのかは分かりませんが、皮が剥がれ落ちてひどい炎症(おとといの写真)。

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今日の写真。ほとんど食べていないらしく、立ち上がることも不可能なほど衰弱してた。

KWSの獣医を呼ぶかどうかの判断してこいとのことですが、これじゃ来ても何も出来ないでしょう。っていうか、こんな状態のカバを麻酔銃で撃っても水に逃げ入って溺死するだけで何も出来ないし・・・。このまま放っておいても死ぬのは確実なのだけど、何日も衰弱しながら死ぬのが見えている時は安楽死が選ばれます。

私と一緒にいたハンドラーたちのライフルはカバの頭蓋骨を貫通すること出来ないので、ゲートに戻って303を持っているレンジャーと一緒にまた戻って来ることに。カバの脳みそは小さくて普通の動物とはちょっと違う場所にあるので、最初に撃った弾丸は5センチぐらいでミスしてしまい、のたうちながら水の中に逃げられ、川の反対側に移動されてしまった。その後は水の中に潜ったり浮いたりの繰り返しで、レンジャーが狙いを定められる場所になかなか浮いて出て来てくれず。両方の川岸で待機し、岸に近づいた時、レンジャーが木に登ってやっと射殺に成功しました。303のものすごい音と共にカバの頭から血が吹き出て、ゆっくり回転しながら茶色いマラ川の水の中に消えていきました。最初の弾で仕留められずに苦しんでしまったのが、ちょっと心残りでした。

明日は、リトルガバナーズで人を襲っているバッファローの射殺の状況判断(何時にどのエリアに出てくるかとか調べる)に行って来ます。野生動物が人を襲う場合も、残念ながら射殺の対象になってしまいます。射殺を失敗して手負いのバッファローにならないように(もっと危険)、事前の状況判断も大切な仕事なのです。


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8月15日

日曜日は犬たちの休憩日なので、私達も訓練はお休みです。休みの日まで動き回らないでもいいだろって感じだけど、リンダのリクエストでハイキング行って来ます。ハイキングって言っても、オロロロの丘を登るので相当キツそう・・・。50歳なのに俊足のハンドラーたちにも遅れを取らず走り回り、帰って来たらさらに腹筋とか筋トレとかまでしちゃう、リンダ。ホント、体力的にはアメリカ人にはかなわん!って感じ。私もあれぐらいかっこいいマッチョな50歳になりたいわ〜(夢のまた夢)。


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8月14日

去年から、マラに住んでいる人たちの中で噂になっていた珍獣。

「毛ボーボーのトムソンガゼル」

やっとクローズアップの写真をゲットしました。マークも写真を撮ってくれたんだけど、あまりにも遠くからでよく分からんかったから。

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マークが撮った写真(左は普通のトムソンガゼル)

そして、こちらが最近ゲットしたクローズアップ写真。

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ジャジャーーーーーーーーーン!!(FBから引用)

シュナウザーみたい・・・。ただの奇形だろうが、何度見ても不思議だ。ケニア人、「ヌーがまざった」とか訳の分からんこと言ってたからな。タレックに向うサバンナで時々見れます、この珍獣トムソンガゼル。


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8月13日

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午後にちょっとマラ川の辺りで休憩。



8月12日

新しい犬アナ、すばらし〜♪

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8月11日

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密猟者のワイヤー罠によって殺された若い雄のライオンの死骸を発見しました。

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皮は剥がれ、前足すべて、後ろ足の爪、そして、牙が切り取られて持っていかれていました。

政府(観光省)から、マラ・トライアングル内のキャンプサイト(プライベート・キャンプサイトとパブリック・キャンプサイトすべて)に宿泊するお客は、最低2人の銃を持ったレンジャーをつけることを義務づけられました。犯人はまだ捕まっていない上、捕まったマサイの犯人は警察に賄賂を払って証拠隠滅をしようとしているというので、まだまだ事件は終わっていません。

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8月10日

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8月9日

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8月8日

とは言っても、パワー有り余ってる赤ん坊なのでかなり疲れますがね・・・。

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Feeding time at the Zoo…

四方八方に飛び散ったご飯はマングースや小鳥さんが掃除してくれます。



8月7日

この顔見ると、いろんなことあっても頑張れます。

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8月6日

ンギラーレの敷地内に2メートル20センチのコブラが侵入。暗闇でレンジャーの一人が懐中電灯なしで歩いていて尻尾を踏んでしまったそうです。アフリカ人は蛇恐怖症ばかりで、「蛇」と聞くと必ず殺してしまうのよね。殺さないで逃がしてあげればいいのにって聞いただけでは思うけど、実際に蛇の死骸を見た感想。

「死んでても、怖いっす!!」

っていうか、デカ過ぎ。今まで見たことのあるコブラで、一番でかい。絶対に生きたのなんか見たくない・・・。

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ついつい恐いもの見たさで記念撮影(少しばかり腰引けてます)。

こないだの事件が今日のイギリスの新聞「TELEGRAPH」に載りました。

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8月5日

早朝7時に二ギラーレに向って昼過ぎまで訓練。夕方4時ぐらいからまた訓練に戻って、家に帰って来るのは8時過ぎ。かなり体力的にフラフラです。昼に少し帰って来ても、めっちゃ暑いし・・・。雨が1ヶ月以上降っていないので、そこいら辺、埃だらけですわ。

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8月4日

警察の捜査は続いていますが、私はいつもの仕事に戻って、リンダと毎日追跡犬を訓練しています。もうこんな悲惨な事件は二度と起きて欲しくないけど、本当の事件の時に犬をさらに使いこなせるように訓練に力を入れています。

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8月3日

被害者の家族からマラコンサーバンシーに連絡があった。この事件の真相を知らせてくれて、ありがとうという内容だった。あまりにもむごい殺され方をしたのとキャンプサイトに到着してからすぐに襲撃が起こったので、親族は誰かの恨みを買ったのかなど、いろいろ悩んでいたらしい。全くの偶然の出来事のつながりに不運にも巻き込まれてしまったのだと知って、被害者が誰かに恨まれて殺されたのではなかったので、「真実が知れて良かった。この先ずっとどうして彼は殺されたのだろうと答えが分からないことを悩むより、真実を知った方が良かった」と言う。こんなむごい真実を受け止めることが出来る彼らの心の強さには、言葉が出なかった。

犯人の証言によると、盗品はカメラ6台、携帯3台、ラップトップと現金少し。一人の命を奪い、後2人に重傷を負わせるのに値しない盗難である。ナイロビにフライングドクターで運ばれた夫婦は一命を取り留めたが、婦人の方は腰骨が完全に破壊されて、今後歩くことが出来る可能性は低いらしい。あまりにも多くの人間の運命を一瞬にして変えてしまった悲惨な事件だった。


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8月2日

キャンプサイトでの襲撃が始まったのが、夜8時。追跡犬モラニが追跡を始めたのが、8時45分。犯人の証言によると、モラニはすでに犯人たちの1キロ以内にいたと言う。途中、彼らが落としたと思える双眼鏡やウィスキーの空瓶などがトラックの上で発見されたのだが、それは犬たちの追跡から走って逃げていた犯人の一人(マサイ)が重くて捨てたものらしい。アメリカで追跡犬を使って脱獄犯を追跡し続けていたジョンは、犬がだんだん近づいて来ると犯人は焦り出していろいろな物を逃げながら落として行くので、物が見つかり出したら犯人は比較的に近い場所にいると判断しろと言っていた。

フライングドクターが到着する直前、ハンドラーたちが無線で「モラニが森の中へ入ろうとするのだが、あまりにも茂みが深くて、暗過ぎて追跡出来ない」と連絡があった。マサイの夜間の視力は私なんかと比べ物にならないほどすごい。彼らが「暗過ぎる」と言う森は、私も知っている場所だが、両手でかき分けて入らないと前に進めないほど茂みが入り組んだ森である。ハンドラー3人では危険過ぎるので、「バックアップのレンジャーたちが到着するまで待機するように」と指示を出したが、どうやらマサイの犯人の証言によると、その森で彼らとの距離が開いたようだ。リンダには、「待機させたのは正解。バックアップなしで森の中で追跡し続けたら、ハンドラーたちと犬は射殺されていた」と言われたが、とても複雑な気分である。

その後、レンジャーたちも同行して追跡が再開され、モラニのおかげでまた1キロ以内に追い込んだが、オロロロの丘を登ったところで犯人グループは逃げ切ってしまった。丘の半分まで来た時、30キロ近く追跡し続けていたモラニの体力が尽きてしまったからである。その後、明るくなってから来たライキピアの犬がエンゴスという町にある店まで追跡したのだが、それは後になってからその店にお茶を飲みに行った警察の足跡だったことが後で発覚した・・・。メムシは人間が多過ぎると怖がって追跡が出来ないので、相当な数のレンジャーや警察がいた今回の追跡には向いていない。何事にも躊躇しない勇敢なモラニが2匹いれば、犯人グループを逃すことはなかったかもしれない・・・、アナが到着するのが後1週間早ければモラニの助けになったのに・・・と、いろいろなことを考えてしまう。


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8月1日

先日、逮捕されたのはロルゴリアンに住むマサイ。そして、犯人グループは後6人のクリア族も入れて、7人のグループだったらしい。このマサイの証言によって、事件の裏にある謎が解け始めました(2010年7月の月末リポートはここからダウンロード可能)

犯人グループはAK47を2丁、そしてショットガン1丁をかついで、7月24日(土)にキハンジャ地区をオートバイで出発し、オロロロの丘の上にあるオロピキドンゴエという街へ向った。その後は徒歩でマラ・トライアングルへ向かい、その日の夜は元オルクルック・ロッジがあったエリアで野宿し、25日(日)の日が沈むまでその森に隠れていたとか。そして、日が暮れてからナロック州に渡り、タレック川の近くのナイボーというロッジに向った。午前3時にナイボーに着いたが、その時間帯から襲撃をして逃げるのには時間がないと判断し、再びマラ川辺りの森に戻ったそう。リトルガバナーズのバルーンが飛び立つのを森の中から見たらしいので、気球の出発が少しでも遅れていたら襲撃されていた可能性もあっただろう。

月曜日の夕方、森に隠れて次のターゲットのリトルガバナーズを襲おうと動き始めたところに、偶然にもリトルガバナーズ近くにあったリバー・キャンプ(うちらのキャンプサイト)にやってきたお客を見つけたと言う。犯人の半数はリトルガバナーズがターゲットなのでこんな小さなグループは放っておけと主張したが、他の血走った半数はキャンプサイトの客に襲撃をかけた。乱射が始まったのは一人の客が持っていた懐中電灯がピストルに見えたからだと捕まった犯人は言っていた。ピストルを持っていたと思ったので、警告なしで頭を撃ち抜いたと。悪いタイミングで間違った場所にいた、それだけの理由で全く罪のない人たちが事件に巻き込まれてしまったのだ。なんということだろう。

犯人グループは月曜の襲撃後、レンジャー、警察、すべてのアンブッシュを逃れ、私が以前住んでいた家の裏の森を通り、オロピキドンゴエ近くの森まで逃げ切った。そして、その森に火曜日まで隠れてて、水曜日にはキハンジャにオートバイで戻って行ったそうだ。その後、マサイの一人が逮捕された後、残ったクリア族の犯人6人はタンザニアに逃亡した。事件は、まだまだ終わっていない。


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7月31日

早朝8時にナイロビを出て、途中いろいろな場所で止まりながら、夕方5時にマラに着きました。そして、直接ンギラーレに向って追跡犬アナをハンドラーたちに渡して来た。モラニとメムシとも気が合って、うまくやっていけそうなので、ホッとしました。アナは追跡もしっかりしていて、性格も臆病ではなく、モラニに似ている。追跡犬ユニットの大きなプラスになることを祈っています。

anna-5.jpg
リンダ(左)と到着したアナ(黒い犬)。


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7月30日

午前2時にリンダが到着しました。アナも無事に到着です。もう、元警察官だったリンダとは、今回の事件での追跡やら今後の訓練についてやら、ホント、話したいこといっぱい。私としては夜間の追跡に特に力を入れさせたい。今回も夜通し追跡したけど、もっとバックアップの人間が慣れていればスピードが上げれたかもしれない。真っ暗闇で野生動物うようよいるエリアでの追跡だから、時間かかったのは仕方ない。実際にカバに襲われそうになってレンジャーが空に発砲しないといけなかったし。でも、もっと訓練を頻繁にして夜間追跡に慣れさせた方がいいと思う。40年に渡って追跡犬ユニットのベテランとして働いてきたジョン。事件の追跡が始まった時、「現場でハンドラーたちを助けたかった」とつぶやいていたと言う。

この事件をきっかけにマラ・トライアングル内のキャンプサイトで宿泊する場合、レンジャー付きでないと宿泊は出来ないことになりました。プライベートに来る人はほとんどレンジャーはいらないと言うことが多いのですが、そんなことを言っていられないことになってしまったので。こんな悲惨な事件が二度と起きないようにセキュリティー強化に力を入れていきます。そして、事件を未解決に終わらせないよう、捜査を続けていきたい。みんな、そう思っています。そんなみんなの切実な思いが通じたのか、夕方に「犯人グループの一人が逮捕された」という連絡が入って来た。このまま警察が捜査の力を抜かず、グループ全員の逮捕の成功を祈っています。


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7月29日

犬たちが追跡している最中に見つけた物のことで、事件の被害者のおじさんと電話で話さないといけなかった。おじさんは事件後のショックから何日かたっていて、ケニアの警察の怠惰な態度に腹を立てていて、私との電話の時も「観光業の人間はみんなこの事件を隠してなかったことにしようとしている!」とか「警察にはうんざりだ。現場にやってきて、さらに私達の物を盗んでいった(ワインやシャンペンなど何本も盗んでいったらしい)」、「この政府には絶望した」と、私には直接的には関係ないことでいっぱいいっぱいどなられた。「自分たちもケニア人だ。ケニアのイメージが悪くなるのをよく思っている訳がない。でも、ケニア人だからってないがしろにされる者の気持ちを理解してくれ。犯人たちが捕まるまで、私たちはこの事件をなかったことなんかに絶対にさせない。絶対に捜査をうやむやに終わらせるようなことはさせない。それが私の気持ちだ。誰にでも伝えるがいい」と。彼の怒りのやり場がないことはよく理解しているので、ずっと彼の震えるような声での怒りの電話を聞いていた。そして、最後に「すまん。君たちには文句はなかったのだが・・・」と電話を切る前に向こうから謝られた。別に謝らないでもいいのに。どうしようもないほど傷ついていているのは、彼らなのだから・・・。

彼らは政府や警察に幻滅していたが、私は観光業の人間に幻滅した。事件が起こって、私が聞いた言葉は、「なんてビジネスに悪いことが起こってしまったんだ」、「殺されたの、ケニア白人だってね、外国人観光客じゃなくて本当に良かったよね」、「プレスに発表する時に「ケニア人」だったってことをちゃんと書いて欲しい」などなど。耳を疑います。自分の誕生日に射殺されたおじさん、未亡人になったおばさん、死にものぐるいで逃げた娘さんたち、銃弾を受けた友達夫婦、血だらけの友達を必死で滑走路まで運んだおじさん、みんな、「ケニア人」です。「ケニア人」だったら、ましなの?

そしてその「ケニア人」たちを必死で助けようとしたのは、セスナで強盗団を探そうと畑に肥料をまく仕事をそっちのけで飛んで来た「ケニア人」のパイロット、ライキピアから自分の追跡犬も使ってくれと送って来た「ケニア人」、その犬を自分のセスナでマラまで連れて来てくれた「ケニア人」。滑走路でフライングドクターのセスナの夜間ランディングを手伝ったのも「ケニア人」、休暇に来ていたのにすぐさま夜中に現場に向って怪我人の応急手当をしたのも「ケニア人」のドクター。マサイマラは外国資本のロッジばっかりなのに、「襲われたのが外国人の観光客じゃなかったのは、不幸中の幸いだね」って。幻滅です。


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7月28日

今日も引き続き、ライキピアの犬とうちらの犬の合計4匹での追跡、そして、マサイランドでのレンジャーたちのアンブッシュを仕掛けています。でも、まだ犯人グループは誰も逮捕されていません。私は明日リンダと新しい犬アナがケニアに到着するので、午後はナイロビに向うけど、あさってにはマラに帰って来る予定です。今回もモラニのように確実な追跡犬がもう2匹いれば、犯人たちが逃げてしまうことはなかったのではないかとか思ってしまう。でも、夜中30キロも追跡して明け方には使い物にならないぐらい疲れてしまったモラニ。アナがモラニの仕事をサポートしてくれる役割をこなしてくれるといいんだけど・・・。でも、メムシもマサイマラに来るまでは臆病問題はなかったんだよね、アメリカで追跡しているだけの時は。マサイマラの過酷な環境にモラニほどうまくアジャスト出来なかったメムシ。アメリカで使われているだけなら特に問題ない犬だったのに、こちらもかわいそうな犬だ・・・。


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7月27日

モラニが昨晩8時45分から、今朝6時まで30キロ近く追跡して、やっとオロロロの丘まで辿り着いたのに、メムシが追跡開始してすぐトラックが消えてしまった・・・。上空からはセスナでのスポッティング、丘の上はマークたちのレンジャーのアンブッシュ(襲撃)がオロロロ・ゲート近くからタンザニアの国境までセットアップされた。さすがに30キロも追跡すると、うちの犬たちは限界が来てしまったので、急遽ライキピアから追跡犬2匹がマラまで送られ追跡を再開することになった。その後、ライキピアの犬たちがトラックをまた探し出してくれ、追跡は丘の上のマサイランドを横断して夜8時まで行われた。まだ犯人は捕まっていなく、マサイランドのどこに人殺し集団が潜んでいるか分からない状態。今晩はアンブッシュグループをいくつか残して、昨晩からマンハントをしているチームが一度レンジャーポストに戻り仮眠を取り、また早朝にパトロールが開始されることになった。

あまりにも危険な状況なので私は前線に出ることは許されず、ライキピアからの追跡犬を連れて来たり、追跡のスタートポイントのトラックを探したりと、昨日の無線係といい、寝ないで何十キロも追跡しているみんなに比べたらかなり楽な仕事していて申し訳ない。でも、さすがに仮眠2時間で早朝5時から夜まで保護区内を飲まず食わずでずっと走り回っていたので、夕方には昨晩からの疲労がピークにきていて、立ち上がることも出来ないぐらいグッタリ疲れてしまった。でも、体力的に疲れたのもあったけど、一番疲れたのは精神かもしれない。


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7月26日

今日の夜8時、マラ・トライアングル内のリバー・キャンプと呼ばれるキャンプサイトが銃を持った推定7〜10人の強盗団に襲撃されました。でも、ほとんど貴重品も盗まず携帯やらワインやらウィスキーやら盗んでいっただけなので、「強盗」と呼んでいいのかも分からない。観光客の1人はその場で射殺され、後の2人は深夜12時近くにフライングドクターで緊急にナイロビ病院に運ばれ命をとりとめました。お金を一切盗まない上、警告なしで発砲し、後は車の破壊しかせず、いったい何を目当ての行為なのか分からず、みんな困難しています。

うちらのレンジャー、コイヤキのレンジャー、ナロックのレンジャー、警察、KWS、CID、GSUなど総勢100人以上によるマンハントが開始され、犬たちも一晩中追跡して、夜明けには元オルクルック・ロッジの下まで辿り着きました。司令室で一晩中、追跡ユニットの指示を無線で出していたので、少し仮眠してからまた明日の早朝から追跡を開始させます。

追伸:

事件の被害者たち(生存者家族たち)が警察がこの事件のことを隠して「なかったこと」にするのだけは絶対にしないで欲しいと悲痛の声を上げているので、マラコンサーバンシーでは真実を受け止め事件を公表することにしています。

ケニアのメディアので報道は間違った箇所が多かったのですが、後日訂正が入りました。

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