獣の女医 in アフリカ

野生動物獣医さんのお仕事

野生動物獣医さんの仕事は、「野生動物の治療」、「害獣コントロール」、「捕獲と輸送(トランスローケーション)」、「検死(POST MORTEM)と伝染病コントロール(DISEASE CONTROL)」、「孤児動物の保護」などがあります。

「野生動物の治療」は、おもに人害によって傷ついてしまった野生動物の治療。たとえば、密猟のために人がしかけた罠にかかってしまった動物の治療とか。でも、基本的にはただ怪我していたら、治療しません。なんでって?弱い動物が死んで強い動物のエサになるのはのは自然の掟だから。弱肉強食の世界に人間が入る必要はないんです、それが人害でないかぎり。

「害獣コントロール」は、国立公園などのまわりに住む人達に危害をくわえる害獣の駆除。害獣はその地域から捕獲されて、大きな国立公園などに移動されるか射殺されます。たとえばヒョウが民家のヤギを食べているとします、そのヒョウは捕獲されて、そこから離れた国立公園にリリースされます。移動先はツァボやメルー国立公園などの大きな国立公園多いかな。
「捕獲と輸送(トランスローケーション)」は、増えすぎてしまった動物を捕獲して、一つの国立公園から違う公園に移動させること。それに数が少ない動物を違う国立公園に移してそこで繁殖させるのもそうです。サイなどの絶滅動物は、サイが絶滅してしまった公園に移動し、そこで新しいサイの人口が増えるようにという方法がとられます。

「検死(POST MORTEM)と伝染病コントロール(DISEASE CONTROL)」。たとえば、バッファローが突然20頭死んだとします。1頭では別に何の問題もありませんが、20頭となるとリンダーペストや炭素菌などの伝染病などの伺いがあります。そこで死後解剖をして、その動物の死因を調べます。そして死因が伝染病だったりしたら、そのコントロール策をねる、という方法がとられます。野生動物の場合は、1頭1頭の治療や病気のコントロールではなく、人口のレベルでのコントロールになります。

「孤児動物の保護」。言葉のとおりです。密猟者に親を殺されたゾウの保護や、ブッシュに取り残されたライオンの赤ちゃんの保護など、いろいろです。私は、これは基本的にあまり賛成しませんが・・・(人の意見はそれぞれだけど)。野生動物は本来、自然の掟によって生死が決まっていると私は思っています。それをむやみに人間が干渉してしまうと、それは野生動物保護ではなく、ただの人間の自己満足な動物愛護にしかなりません。動物の赤ちゃんはかわいいのは確かです。でも、忘れてはいけないは、それはその動物は本来「野生」であるべきだということ、そして干渉することでその動物が野生で自立して生きる力を奪ってしまうということ、最後に人間と関わった動物は一生人間と関わりつづけるケースがほとんどだということ。

「かわいい」、「かわいそう」という理由だけで野生動物を人間に手なずけてしまったら、結局その動物を一生面倒を見れるかという問題になってしまいます。人間に育てられたライオンは、結局人間との関係を切れず、人間を恐れないので民家に入り家畜を襲い、結局撃ち殺されてしまったりします。孤児のゾウもツァボ国立公園に離されて野生に戻ったなど言われているけど、とんでもない、あれはただの家畜です。だって昼間は人間とサバンナを散歩して、夜は電気フェンスで囲まれた小屋で寝ているのだもの・・・。安易に人間が干渉してしまったために、一生野生に戻れなくなったかわいそうな動物がもう一匹増えただけ。それは、ペットブームで買われて、成犬になったら捨てられてしまうかわいそうな犬となんの違いもないと思います。

私が今まで学校の休みの間に野生動物獣医さんの下でボランティアをしたことがあるのは、「野生動物の治療」、「捕獲と輸送(トランスローケーション)」と「検死(POST MORTEM)」。野生動物の治療では密猟の罠にかかったゾウを治療できたし、トランスローケーションでは白サイ、キリン、トムソン・ガゼル、イランド、シマウマなどを移動、死後解剖ではライオンの検死をする機会に恵まれた。