ゴリラと携帯電話
「森林の優しい巨人の絶滅危機」と私達の「携帯電話」の関係、知っていました?
あなたは携帯電話をいくつ持っています?いくつも携帯電話を持っていたり、機種が変わる度にしょっちゅう新しい携帯に変えたりしてないですか?そんなことを聞いてどうなるのと思うでしょうが、実は、私達の携帯電話はアフリカのゴリラの住みかを奪う結果になっているんです。
携帯電話のコンデンサーには「タンタル」という希少金属(レアメタル)が使用されています。タンタルは毎年小さくなりつつある携帯電話にとって必要なもので、まぁ、弁当みたいにでっかい携帯ならまだしも、今の携帯電話のサイズはタンタルがなければ可能にはならないそう。このタンタルは、オーストラリア、カナダなど限られた場所でしか採れず、そうとう高い値段で取り引きされている。アフリカではコンゴ民主共和国(旧ザイール)の国の東半分のジャングルに覆われた地域で採掘されていて、現地ではタンタルではなく「コルタン」と呼ばれています。タンタルの発掘地域は反乱軍や隣国ウガンダやルワンダの軍が入り乱れ、政府の支配が及ばない地域。採掘された鉱石は反乱軍の資金源となるだけでなく、侵入している隣国の軍もタンタル鉱山に進駐し、いずこかへ鉱石を運び去っている状態が続いていると言う。隣国のルワンダにはタンタル鉱山がないにも関わらず、年間の国家予算に等しい額のタンタルをコンゴから密輸入して輸出しているらしいのも事実らしい。
以前からコンゴはダイヤモンド、コバルト、銅、金など地下資源の豊富さで知られていて、鉱石が紛争の原因になっていると言われるほど。ウガンダやルワンダの軍が侵入しているのも、表向きは自国の反乱軍を追討するためだけど、背後には金の鉱脈を狙ってのことだという説が強いそう。そうした揉め事の原因に、新たにタンタルが加わり、しかも強烈な魅力を発揮していて、コンゴの内乱はますます悪化しそうだと言う。
そして、この話にどうゴリラが関係してくるかと言うと、かつては金の鉱山があり、今はタンタルの鉱山が発見されている地域は、東ローランドゴリラの生息地なのです。カフジ・ビエガ国立公園は世界遺産に登録されているんだけど、ツチ族とフツ族の紛争で逃げ込んできた難民のため、森の木を伐られてゴリラは食糧と棲みかを失い、その上、森に慣れない兵士達に射殺されるケースも。そこへ今度はタンタルの採掘・・・。タンタルをを求めて森に入った人が、食糧にするためゴリラを殺しているのだそう。世界自然保護基金(WWF)のニュースによると、カフジ・ビエガ国立公園のゴリラは、1996年の調査で約280頭だったのが、今年始めにはすでに半分以下に減っているらしい。
そして、国連は内戦の調停に乗り出しているが、成果はあがっていないと言われている。ゴリラの保護には国連環境計画(UNEP)がWWFなどと協力して取り組むそうですが、他の地域のチンパンジーやオランウータンとは違って、無法地帯に手を出すことは現状では難しいのも事実。タンタルの鉱脈が掘り尽くされるのを待っていては間に合わないのでは・・・。
私達の携帯電話が森林の紳士を死に追いやっています。ゴリラを見た人は必ず、「ゴリラの優しさに惚れる」らしい。私は金欠でゴリラを見に行くことができないけど、アフリカに住んでいるうちに絶対一度はゴリラを見に行きたいと思っている。その日までゴリラの住みかが残っていることを祈っています。
今度携帯を買おうと思った時は遠いアフリカのゴリラのことを思い出して!

