獣の女医 in アフリカ

香水とアフリカジャコウネコ

「いい匂いの香水」が作り出す「動物の虐待」、知っていました?

女の人なら、誰もが一つは持っている、「香水」。実はこの香水の原料もアフリカの野生動物を苦しめる結果になっているのを知ってた?

世界動物保護協会(WSPA)がたエチオピアでのアフリカジャコウネコ飼育の調査を行いました。アフリカジャコウネコ(Large-spotted Genet)は、香水の原料の麝香(じゃこう)採取のために野生から捕獲される。そして、この麝香は香水の原料として世界中の香水メーカーに輸出されているのである。
アフリカジャコウネコは顔や体格がきつねと似ており、その分泌物は独特の香りを放つ。かつては熱帯アフリカ各地で見られたけど、今はエチオピア北部にわずかに生息するのみとなってしまっているそう。アフリカジャコウネコ飼育場については四半世紀も前から憂慮の声があがっていたらしいけど、現地で調査が行われたのは世界動物保護協会の調査が初めてなのだそう。

この25年の間に、コスメティック製品に関連しての動物、動物性原料の使用に対する一般市民の意識は急速に変化している。消費者は製品の製造過程を知る権利があるようと思うようになり、知ることによって製品を買うか買わないか倫理的な判断ができるようになったのではないだろうか。

麝香採取のために野生から捕獲されたジャコウネコは、福祉への配慮などまったくない状態で残りの一生を飼育下に置かれます。ジャコウネコは飼育下では約9年半生きると言われているけど、木の枝などでできた粗末なケージは、捕らえられた直後のジャコウネコが体をまるめた状態でいなければならないこともあるほど小さく、その後体重が減るまでは中で身動きをすることもできないほど。ジャコウネコは夜行性なのでケージは暗い室内に置かれ、高温が麝香の分泌を促進すると思われているため常にいぶり火を絶やさないうえ、換気がよくないので室内はいつも煙っています。想像も出来ないほどひどい仕打ちです。

食事は夜、トウモロコシや肉が与えられ、麝香を採取したあとはバター、卵、肉などが与えられます。食べこぼした食物にハエがたかり給餌器の中やまわりには蛆虫がついてるのがしょっちゅう。食べ物につられた軍隊アリの集団がケージに侵入すると、逃げ場のないジャコウネコは耳や鼻の穴をふさがれ窒息することもあるそうです。法的にはアフリカジャコウネコを捕獲するには許可が必要なのだけれど、実際にはだれも申請すらしていない状態。飼育場に関しては法規制がないため、行政には立ち入り調査権がないのだそうです。麝香採取は9日から15日目に一度行われるらしく、ジャコウネコは棒で首を押え込まれ動けないようにされ、尾の付け根にある会陰腺から分泌物を絞り取られます。この作業はジャコウネコにとっては非常なストレスとなり、怪我をすることも珍しくないが手当されることはないのだそう。

香水業界はもとから秘密主義な体質であり(動物虐待の責任を問われるのではないかという不安もあり)、どの香水メーカーが天然の麝香を原料として使用しているのか探し出すのは難しいようである。1985年から96年にかけて約13678kgもの麝香がエチオピアから輸出され、これは 30mlの香水ビン1億1800万本あまりを製造できる量だそう。金額に換算すると63億9100万ドルにもなる。すでに多くの香水メーカーが合成原料に切り替えているが、これも動物実験によって開発されたものがあり手放しでは評価できないと世界動物保護協会は語っています。世界動物保護協会は、香水業界に原料として天然の麝香を使用しないよう、また合成原料の開発のために動物実験を行わないよう呼びかけをしている。

「世界動物保護協会(WSPA)のサイトより引用」